長時間労働の削減へ先進事例確認 岡山労働局長ら運送業者を視察

スワップ車を視察する(手前左から)出口支局長、成毛局長と陰地社長

 「過労死等防止啓発月間」(11月)に合わせ、岡山労働局の成毛節局長らが21日、長時間労働の削減に積極的な鶴信運輸(岡山市中区倉富)を視察した。物流業界では2024年度からドライバーの時間外労働の規制が厳格化されるのを踏まえ、中国運輸局岡山運輸支局の出口敦支局長も初めて同行し、対応状況を確かめた。

 同社の陰地智行社長が、トラックの荷台を着脱できる「スワップボディコンテナ車両」を紹介。スワップ車は目的地でコンテナごと積み替えてすぐに出発できるため、荷物の積み降ろしでドライバーが待機する「荷待ち時間」を短縮できる。同社は昨年2月に4台を導入し、通常のトラックで最大4~5時間の荷待ちを30分程度に抑えられたと報告した。本年度も追加で4台を導入するという。

 同社は関東から九州地方までを輸送エリアとしており、来年度は新たに東海地方に営業所を構え、中継輸送により長時間運転の抑制を図ることも説明した。

 業界では24年4月からドライバーの時間外労働の上限が年960時間に制限される。出口支局長は同社の対応を「先進的な事例。他の運送業者にも紹介したい」と評価。成毛局長は「ドライバーの働き方改革には荷主業者の理解も不可欠。運送業者の取り組みを周知し、協力を呼びかけたい」と話した。

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