「こういう機会があったので乗ってみた」電車とバスが終日無料 利用者は前週の3倍に!静岡鉄道の狙いとは?

11月19日、静岡市内の静鉄電車とバスが一日、無料となるイベントが開かれました。目的は二酸化炭素の排出が少ない公共交通機関の環境へのよさをアピールすること。さらに、新型コロナで落ち込んだ電車やバスの利用客を取り戻す狙いもあります。

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11月19日、土曜日の朝9時前、新静岡駅に到着した電車からは多くの利用客が降りてきました。

<駅のアナウンス>

「本日お配りした乗車券は1日使える乗車券となっております」

「COOL CHOICE 2022inしずおか」では静鉄電車が終日無料に

駅では、すべての乗客に無料の1日乗車券が配られました。1日限定で開かれた「COOL CHOICE(クール・チョイス)2022inしずおか」。地球温暖化を防ぐため、二酸化炭素の排出量の少ない電車やバスなどを交通手段としてもっと選んでほしいというイベントです。19日は、12編成ある電車のすべてを再生可能エネルギーなどの電気で走らせました。

<電車の利用客>

「ずっと娘が電車に乗りたいと言っていたので、こういう機会があったので、きょうの乗ってみようかと思って乗ってみました」

<バスターミナルでのアナウンス>

「前後ろ分かれてお進みください。入り口が混み合ういますので、前後ろ分かれてお進みください」

電車だけでなく、静岡市内を走る40路線のバスも終日無料となりました。

<梅ヶ島行のバスの利用者>

「どうせなら遠くへ行きたいと思って、梅ヶ島に行きます。紅葉を見ながらお風呂に入って、この頃、コロナでどこも出られないので本当にうれしいです」

紅葉シーズンとも重なり、梅ヶ島温泉行きには長蛇の列ができ、臨時で増発便が出るほどでした。19日の利用客は、前の週の土曜日と比べて電車で約3倍に増加したということです。

電車とバスの無料に合わせて、駿府城公園には環境問題を学ぶことができる地球にやさしい商品などが展示されました。企業や行政・大学などが14のブースを出しました。

また、静岡鉄道の長沼車庫(静岡市葵区長沼)では、大正時代の「デワ1号」と呼ばれる歴史ある車両などが展示され、多くの人でにぎわいました。

静岡鉄道の電車とバスは、新型コロナの感染拡大以降、利用客が3割減っています。経営環境は厳しく安全対策にもお金がかかり、2023年春には電車で一律20円の値上げが予定されています。今回のようなイベントは、公共交通機関の大切さを知るきっかけでもあります。

<静岡鉄道来事業創造部 二村昌輝部長>

「私も電車で来ましたが、満員でしたので、日頃の土曜日よりも非常に多い印象。まずは一度乗っていただいて、身近な環境貢献ができると知っていただきたいと。こういった啓発もなかなか一度限りでは難しい部分もある。色々なやり方や方法を今回のイベントを振り返って次につなげていきたいと思っている」

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