公取委がネット記事掲載の対価は適切か調査…Z世代「作る側が報われるルールを」

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月17日(木)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、“ネット記事掲載の対価”について取り上げました。

◆コンテンツ制作者側が報われる世界に…

公正取引委員会は、新聞社やテレビ局などがニュースサイトに記事を提供する時の対価が適切に支払われているかなどの調査を行うと発表。

公正取引委員会が2021年2月に公表した報告書では、ネット記事を提供する新聞社やテレビ局などのメディア各社が、記事を2次掲載するニュースサイト事業者から支払われる対価が低いなどとしていました。公正取引委員会は、その後も改善が見られないとし、新聞社やテレビ局などのメディア約300社に対し、実態を聞くアンケートを発送。今後はニュースサイトの事業者にも調査を行うことにしています。

◆コンテンツの作り手側が報われるルール作りを…

このニュースに対し、microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは「これはしっかりと適切にメスを入れていくべき領域」と見解を示します。というのも、コンテンツを制作する側がきちんと報われる世界にならないと創作活動自体が衰退しまう恐れがあり、「それは本当に産業として悲しいこと」と嘆きます。

また、インターネットの世界で言えば、検索や表示のルール、アルゴリズムをコントロールできる人が現れた場合、いわゆる2次掲載という形でコンテンツを作らなくてもメディアとして閲覧数を稼ぎ、広告収益を得ることができてしまうとし、渋谷さんは「インターネットの世界こそフェアにコンテンツを作る側が報われるようなルール作りが大事」と主張。

ここで、一連の渋谷さんの見解を聞いたキャスターの堀潤からは「プラットフォーマーは公の性質を求められる、それが"Web2”の世界だったが、"Web3”の世界はそういう関係、いわゆるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)が築いてきたようなプラットフォーマーの強権化ではない世界観ができあがる革命が起きるのか?」との質問が。

これに渋谷さんは「今まではGoogleなど、プラットフォーマー側が表示基準などのルールを全てコントロールしていたが、そもそもGoogleが表示しているコンテンツは僕ら制作者側が作っている。なのに、コンテンツ提供者ではなく企業が勝手にルールを決め、その収益をコントロールするのは制作者側がフェアに報われていない。サステナブル(持続可能)な創作活動につながらないというところで、今はプラットフォームに参加するみんなでルール決めしましょうと最先端のWeb3ではやっている」と現状を解説。

既存のNFT(非代替性トークン)領域はコンテンツ制作者側に収益が貯まる構造になっていますが、そこにもメスが入り始めていると渋谷さん。「本当にコンテンツを作った人にずっと収益を払わないといけないのかという議論もある。最先端領域では本当にフェアとは何かといった議論がされている」と話すと、堀は「面白い!」と興味を示していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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