考古学者、吉村作治さんの約60年に及ぶエジプト遺跡発掘の歩みをたどる「古代エジプト文明展」が長崎県佐世保市のハウステンボス(HTB)で開かれている。世紀の大発見となったクフ王の「第二の太陽の船」の復元模型を初公開するなど、貴重なコレクションが展示されている。吉村さんはトークショーで「人間の偉大さを伝えたい」と語った。
HTB開業30周年の記念事業として、宮殿を再現した「パレスハウステンボス」の美術館を会場に開催。「第二の太陽の船」は1987年にギザの大ピラミッド付近で発見された。約4500年前の紀元前2500年ごろに造られたとされ、吉村さん監修の下、10分の1のスケール(約4メートル)で再現された。
このほかツタンカーメン王の墓やピラミッドの謎を紹介するコーナーなどがあり、100点以上のコレクションを展示。デジタル技術を駆使した映像や、歌手の石井竜也さんの音楽などで、古代文明の雰囲気が体感できる。
吉村さんは「私の足跡とその成果を紹介する展覧会。古代エジプトの世界を自身の目、耳、五感でたっぷり楽しんでほしい」とメッセージを寄せている。来年1月30日まで開催。