自家製酵母と手仕事にこだわる「yurinote」の推しパン3選

先月からスタートした「新しいベーカリーを巡る!推しパン3選」。

第3弾となる今回は、2022年5月にオープンした『yurinote(ユリノテ)』を訪ねました。

【特集】新しいベーカリーを巡る!推しパン3選

発酵の力で素材の味を引き出す。

金沢市笠舞本町の住宅街にひっそりと佇む『yurinote』は、自家製酵母にこだわる話題のベーカリー。素材の持ち味を生かした食事パンを中心に、個性豊かなパンを取り揃えています。

営業日が週2回と少ないこともあり、行列ができることもしばしば。取材当日もオープン前から数名のお客さんが列を作り、開店を待ち望んでいました。

自宅のインナーガレージを改装した店舗は、ショーケース越しに好きなパンを選んで、小窓から受け取るスタイル。3密をなるべく回避するコロナ時代に対応した販売形式とも言えます。

店名の「yurinote」は、オーナーの中村”ゆり”さんが、丹精込めて”手”作りするという意味が込められています。週2日の営業に対して、仕込みは4日。酵母を起こすことから始まり、生地の仕込みから焼き上げまで、中村さんの製法へのこだわりは、パンひとつひとつの形の美しさからも伝わってきます。

「ごはんを炊くようにパンを焼いて、サラダやスープと一緒に食卓に並べる。そんなイメージで作っています」と中村さん。もともとは趣味で始めたパン作り。「食べてみたいけど、お店には売ってない。だったら自分で焼いてみよう」という中村さん自身のパン愛が原点だけあって、普段あまり目にしない個性的なパンが多いのも特徴です。

大人な味わいの”おやつ”も中村さんが得意とする所。なかでもレーズン酵母や酒種を使ったスコーンは、食感と風味が豊かでファンが急増中。ショコラ系からアールグレイの茶葉を生地に練り込んだものまで、バリエーションも豊富です。

ちなみに12月から数量限定で「シュトレン」も販売するそうですよ。

シュトレンとは?
ドイツの伝統的な菓子パン。近年ではクリスマスの定番として日本でも販売するお店が増えている。

それでは実食スタート!

発酵の力によって素材の味が引き出された数々のパンの中から、編集部のイチオシをご紹介します。

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編集部セレクト「yurinote」の推しパン3選

まずは、米と糀から発酵させた酒種を使い、じっくりと低温で長時間発酵させた酒種カンパーニュ(810円)。中村さんはこの酒種を、自分で炊いたごはんと福光屋の乾燥糀を使って、イチから育てています。

皮はパリッと、中はもっちり。糀由来の酵母を使っているためか、今まで食べてきたカンパーニュとは違った”和”のテイストで、おにぎりを食べてるような安心感があります。スライスしてそのまま食べても、チーズやハムを乗せても美味しいですよ。

こちらはパンオノア(810円)。ゆめちから100%の生地に、たっぷりのピーカンナッツとクルミが入った人気のパンです。一般的なパンオノアと違うのは、小麦の生地と同量のマッシュポテトとオリーブオイルを練り込んでいること。それにより保湿力がアップし、しっとり、もっちりとした生地になるのだそうです。

ほんのり塩味の利いた生地は、じゃがいもの風味を生かした独創的な味わい。ナッツ類のザクザクした食感と香ばしさも絶妙なアクセントとなって、噛めば噛むほど旨味が広がります。完成までにかなりの手間がかけられていること、そしてこの芳醇な味わいを考えれば、810円という値段も納得です。

最後に紹介するのはブルーナッツハニー(432円)。ブルーチーズとハチミツを使ったおつまみ系のパンです。その個性豊かな味わいから、熱心なリピーターも多いのだとか。

ポイントはくるみがたっぷり入ったライ麦生地。ザクザクとした食感で香ばしく、濃厚なトッピングともよく合います。ブルーチーズの塩味をハチミツの自然な甘さが緩和することで、よりチーズの風味が引き立てられた逸品。ワインやビールとの相性も抜群です。

以上、編集部がセレクトする「yurinote」の推しパン3選でした!

「yurinote」のInstagramで定休日や新作情報をcheck!

yurinote(ユリノテ)
住所:石川県金沢市笠舞本町1-7-23
営業時間/12:00〜17:00(無くなり次第終了)
定休日/火曜、土曜日のみ営業
駐車場/2台
※こちらの情報は取材時点のものです。

(取材・文/BONNO編集部、撮影/林 賢一郎)

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