県内景気「持ち直している」10~11月 判断維持 日銀長崎支店

 日銀長崎支店は21日、10~11月の県内金融経済概況を発表した。景気全体は「全体として持ち直している」として、4カ月ぶりに引き上げた前回判断を据え置いた。
 全項目で判断を維持。個人消費は「持ち直している」。飲酒を伴う飲食や富裕層の高級店での外食、婚礼事業などの「ハレの日」需要が活発化している。物価上昇の影響について、鴛海健起支店長は、菓子や酒類などで節約の動きがみられるが、値上げが生じている自動車や家電といった耐久消費財などは堅調に推移していることなどから「消費全体でみると限定的」との見方を示した。
 観光も「回復している」。全国旅行支援や出島メッセ長崎での大型イベント開催が後押しし、インバウンドにも徐々に回復がみられる。
 先行きについては、新型コロナウイルスの動向、物価上昇、供給制約が「企業収益や個人消費に及ぼす影響を注視していく必要がある」とした。加えて、鴛海支店長は「期限付きの旅行割引が将来の需要の一部を先取りしている可能性がある」と指摘。旅行需要の反動減が生じ「観光の回復の勢いが落ちる可能性がある」と述べた。


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