与謝野晶子の誕生会で幹事も 「市民スポーツの父」平沼亮三の知られざる文化活動

与謝野夫妻から平沼に送られた手紙=横浜市平沼記念体育館

 スポーツの普及・振興に尽力し、「市民スポーツの父」と呼ばれた平沼亮三(1879~1959年)。その平沼の、知られざる文化活動に焦点を当てた展示が、横浜市平沼記念体育館(同市神奈川区)で行われている。企画した同体育館職員の砂川惠一さん(65)は「あまり知られていない文化人との関わりなどを通じて、平沼をもっと広く知ってもらいたい」と期待している。

 平沼は市長や横浜商工会議所会頭などを歴任。戦後復興に注力するとともに、生涯を通じてスポーツの普及・振興にも力を尽くし、文化勲章を受章した。

 その功績を記念して建てられた同体育館には現在、与謝野鉄幹(1873~1935年)、晶子(1878~1942年)夫妻が平沼に送った毛筆の手紙2通が展示されている。関東大震災で亡くした子どもへの弔意や、晶子の誕生会で幹事を引き受けてくれたことへの謝意がつづられている。

 同体育館は来年2月まで、平沼の著作や所蔵品を解説する講座を月1回、開いている。

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