コロナ「第8波」でインフル同時流行の懸念 県では事前準備を呼び掛け【静岡】

新型コロナウイルスは「第8波」に入ったと言われているが、今回はインフルエンザとの同時流行が懸念されている。静岡県内の医療現場からでは「負担が相当大きくなる」と危機感を強めている。

17日 発表された新型コロナウイルスの新規感染者は、静岡市発表分が378人、浜松市発表分が600人、それ以外の県発表分は1288人で計2266人。亡くなった人はいなかった。

新規感染者は10日の木曜日より375人増え、4日連続で前週同曜日を上回った。県内でも感染者の増加傾向が続く中、発熱外来を設置している医療現場では。

(榎本内科クリニック 院長)

「まだそれほど問い合わせがあるという感じではない。」「(7波のときは)それなりに来られた患者さんが多かった。」「今回もそうなる可能性が十分あると思う。」

「榎本内科クリニック」では、新型コロナとインフルエンザのワクチン接種を行っているが、予約件数が増えているという。

(榎本内科クリニック 院長)

「インフルエンザのワクチン接種を希望する方が急に多くなっている。」「去年はそんなに多くなかったと思う。」

榎本院長が最も懸念しているというのが、新型コロナとインフルエンザの“同時流行”だ。

(榎本内科クリニック 院長)

「いまのところこの近辺でのインフルエンザの発祥の兆しはないのだが、どこかで出たら絶対広がっていく。」

東京都内では10月末から「フルロナ」と呼ばれる新型コロナとインフルエンザの同時感染も確認され始めている。

(都内の医師)

「(コロナも陽性で)万が一インフルエンザ陽性だとイギリスのデータで重症化リスクが4倍というのが出ていて、死亡リスクが2.3倍というデータがある。」「12月中旬から下旬にかけてその(同時流行の)ピークが早ければくる。その中に「フルロナ」の報告が相次ぐということはあり得る。」

気になるインフルエンザの状況だが…。

静岡県によると、10月3日から11月6日までのインフルエンザ患者の届け出数は県内で3件にとどまっているが、全国では10月31日から11月6日までの1週間で270件の届け出があり、「県内で、いつ拡大してもおかしくない状況」だという。

発熱外来を設置している、静岡市の榎本内科クリニックの院長はコロナとインフルエンザが同時流行した場合「現場への負担は相当大きくなる」と話す。

(榎本内科クリニック 院長)

「冬なので普通の風も混在する。風邪なのかコロナなのかインフル

エンザなのか症状だけでは見分けれないのが本音」「(両方の)検査をして判断していくしかない。かかる時間が2倍3倍になるし大流行すると大変かなと思う。」

県は、新型コロナとインフルエンザの感染拡大のピークが重なった場合、一日あたり合わせ約2万5000人が感染すると想定していて、県内の医療体制では受診できない人が5500人に上ることを明らかにしている。

「医療のひっ迫」を避けるため、県は体調不良になった時に備えて事前に検査キットを準備し、陽性になった場合でも「軽症や自覚症状がなければ自主的な自宅療養をしてほしい」と呼びかけている。

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