高尾山にオレンジ色の「人」文字 児童虐待防止アピール

高尾山の山頂付近でオレンジ色に点灯した「人」文字(21日、和歌山県田辺市秋津町から撮影)

 NPO「和歌山子どもの虐待防止協会」は、児童虐待防止を象徴する「オレンジリボン」を広めようと、26日まで和歌山県田辺市の高尾山で、オレンジ色に「人」文字を点灯させている。

 11月の「児童虐待防止推進月間」に合わせた啓発活動の一環で、19日から始めた。同市上秋津などの住民有志で組織する「人文字点灯委員会」(柳瀬理孝代表)が協力している。

 虐待防止協会副会長で紀南担当の山本高正さん(69)は「一人でも多くの人にオレンジリボンを知ってもらい、児童虐待防止について関心を持ってもらいたい。人と人とのつながりを大切にしようとの思いも込めている。地域活動をしている方々のご協力を頂き、これからも続けていきたい」と話している。

 県子ども未来課によると、2021年度中に県内2カ所の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談件数は1792件で、統計を取り始めた1990年度以降で最多だった。同課は虐待が疑われた場合の通告義務の認識が浸透してきたこと、地域のつながりの希薄化により「子育ての孤立化」などが増加の要因と考えられるとしている。

 児童相談所の全国共通ダイヤルは「189番」。

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