多様性表す「ワニ」モザイクに 岡山県自閉症協会 共同制作し公開

会員が一般の親子らと共同制作したモザイクアート

 NPO法人岡山県自閉症協会(岡山市北区南方)のシンボルキャラクター「ワニ」を主なモチーフにしたモザイクアートが、岡山高島屋(同本町)にお目見えしている。協会発足50周年を記念し、会員親子と一般の親子が共同制作。互いの違いを認め合える社会の大切さを呼びかけている。

 ワニのキャラクターは、県の委託を受けて2020年度に行った発達障害啓発事業「アスのワニプロジェクト」に合わせて作成。「明日」「us(私たち)」と「輪に」「和に」をかけている。

 モザイクアートは、協会と親交がある童画家中山忍さん(64)=同市中区=が、さまざまな色や形のタイル片を組み合わせて一つの作品に仕上げる工程が「人々の多様性を表すのにぴったり」と発案。8月に同店で来場者参加型の制作ワークショップを開き、偶然訪れた親子ら延べ約300人が携わったという。

 作品2点は各90センチ四方。画面中央に青とピンクのワニを1匹ずつ配置し、絵の具で描かれた丸や三角をベースにタイル片を貼り付けて表現した人の顔や動物などが取り囲む。黄色い背景に計700枚以上のカラフルな破片を使い、温かい雰囲気にあふれている。

 協会の森石雅子事務局長(63)=同市北区=は「会員との交流を通じて障害に関心をもってくれた人もいた。当事者たちは素直で真面目な人ばかり。互いの理解が少しでも深まれば」と話す。

 展示場所は8階催会場で29日まで。問い合わせは協会(086―801―4010)。

 協会の前身は、1972年11月26日に保護者約30人で立ち上げた県自閉様症児親の会。現在は275家族と医療関係者ら約30人が所属し教職員向けセミナーや、シンボルカラーの青色で岡山城天守閣をライトアップする啓発活動を展開している。

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