離島に漂着する大型のごみを効率的に一掃しようという取り組みが、広島・大竹市の阿多田島で行われました。
これは、広島・岡山・香川・愛媛の4県と日本財団とが、瀬戸内海へのごみの新規流入量を7割減らし、回収量を1割以上増やすことを目的にしている「瀬戸内オーシャンズX」というプロジェクトの一環です。
この日は、関係者などおよそ200人が参加。
船で運んだ特殊な車両や重機も使いながら、阿多田島の海岸に流れ着いたフロートなどのごみを回収していきました。
瀬戸内海には年間4500トンのごみが流れ込み、そのうち7割近くが陸からのものといわれていますが、離島などでは一度に多くのごみを処分場まで運ぶことが難しく、処理費用も増加するため、回収が進まないということです。
今回は、こうしたごみを効率的に一掃する実証実験として行われました。
日本財団 笹川陽平会長
「瀬戸内海を世界一美しい海にしようと、われわれがごみ拾いをして、次はごみを出さないようにすることが大事」
この日は、およそ1.2トンのごみが回収されたということで、今後、今回の実験の検証を進めるということです。
瀬戸内オーシャンズXは、瀬戸内海について、▽閉鎖性海域のため、外海からの海洋ごみの流入が少なく、とった対策の成果を可視化しやすくなっているほか、▽ごみの大半は自分たちが流出させたものであるという当事者意識を伴った対策が取りやすいことなどから、海洋ごみ対策のモデルとして最適な地域だとしています。
ここでの対策を循環型社会を見すえた “瀬戸内モデル” として世界に拡げていきたいとしています。