バス運転手の意識喪失事故に備える 緊急停止システムの体験会 宮城・利府町

走行中にバスやトラックの運転手が意識を失う事故が相次いでいます。異常があったときの事故防止につなげようと、バスを緊急停止させるシステムの体験会が宮城県利府町で開かれました。

国土交通省東北運輸局が開いた体験会には、バス会社9社の担当者ら約30人が参加し、運転手の体調が急変したときなどに乗客がバスを停止させるドライバー異常時対応システムを体験しました。

運転席の後ろにあるスイッチを押すと。
「緊急停止。おつかまりください。緊急停止。おつかまりください」
警報が鳴り、非常ブレーキが作動し、バスが減速して自動的に停車します。

クラクションが鳴ったり、ハザードランプが点灯したりして、車外にも異常を知らせます。

18日には、東京都町田市でバスが住宅に突っ込み、乗客ら8人がけがをする事故があったばかりです。

運転手は「貧血を起こした感じで記憶がなくなった」と話しているということです。

東北運輸局によりますと、東北6県では2021年、バスやトラックの運転手が運転中に意識を失うなどして5件の事故が発生しました。

国交省東北運輸局泉幸一保安・環境調整官「意識喪失による事故というのは無くならないものですので、今後どんどんこのシステムが普及することによってそういった事故を防止できればと考えているところでございます」

県内の路線バス約1000台のうち、このシステムが導入されているのは1割ほどで、東北運輸局はバス会社などに導入を呼びかけています。

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