熊本城の復旧完了、15年遅れに 熊本市、2052年度見通し 専門職の確保や石垣積み直しに課題

熊本地震で被災した熊本城飯田丸の復旧工事現場。五階櫓が解体され、石垣の積み直し作業が進む=10月8日、熊本市中央区

 熊本市は22日、熊本地震で被災した熊本城の復旧完了時期が当初の計画から15年遅れ、今から30年後の2052年度になるとの見通しを明らかにした。将来にわたって専門職を確保するのが難しく、石垣の復旧方法を検討するのに想定以上の時間がかかるためとしている。

 復旧事業のうち、本丸御殿は既にスケジュールを明らかにしている宇土櫓[やぐら]と同じ32年度、すべての重要文化財建造物と主要区域は42年度にそれぞれ完了させる方針も示した。

 市は18年3月に熊本城の復旧基本計画を策定し、37年度完了を目標に20年間のスケジュールで事業を開始。5年目の今年7月、専門家らでつくる基本計画の検証委員会を設け、進ちょく状況や課題の整理を進めていた。

 事務局の市熊本城総合事務所によると、今年3月末現在の進ちょく率は約21%でほぼ計画通りだった。一方、23年度以降に作業量が増える石垣や建造物の復旧を見据えて業者にヒアリングした結果、増員が必要な石工や文化財の専門家が人手不足で計画通りに確保できない見込みという。

 このほか5年間の復旧実績によって石垣の調査や測量、建造物の部材の調査、復旧方法の検討に想定より時間がかかることも判明。城内に整備した特別見学通路を解体しないと工事できない石垣もあり、復旧期間に影響するという。

 大西一史市長は記者会見で「熊本城の石垣復旧は全国で前例のない取り組み。想定外の課題がたくさん出てきた」と述べ、復旧の遅れに理解を求めた。

 市は来月7日に開く検証委員会に復旧スケジュールを説明し、来年3月までに基本計画を改定する方針。(河内正一郎)

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