富士山のふもと、静岡県小山町の工業団地でサーモンの養殖が始まりました。国内最大級の陸上養殖施設となります。
サーモンといえば、大人から子どもまで人気の魚ですが、主にノルウェーなどから輸入されています。そのサーモンを、陸上で完全養殖する施設がいま、小山町の工業団地に建設されています。
養殖をするのは、ノルウェーに本社がある企業の日本法人で、10月末から一部で運用を始めたことから11月22日、報道陣に公開しました。
<担当者の説明>
「3つのタンクと1つのフィルターで水を循環させてきれいにしてまた使っていく」
施設は、土地の広さが約5万7000㎡。建物は、延べ床面積約2万8000㎡。養殖するのは、寿司ネタでなじみがある「アトランティックサーモン」で、成長に合わせて水槽の大きさを替えじっくり成長させます。
販売は大手商社・丸紅が一手に引き受け、販売ネットワークを生かして全国に出荷します。小山町での養殖は、円安など影響を受けにくい、輸入よりはるかに新鮮で、大消費地の東京にも近いなど多くのメリットがあります。現在は、まだ卵を孵化させた段階ですが、海外で同じ方式で育ったサーモンを関係者がひと足先に試食しました。
<小山町 池谷晴一町長>
「おいしい。世界に発信できるブランドになると思います」
<プロキシマー ヨアキム・ニールセンCEO>
「日本のマーケットも期待するが、将来的にはアジア諸国への輸出も視野に入れて、さらなる生産の増大も計画していきたい」
アトランティックサーモンが成魚となるには、約1年10か月かかり、初出荷は、2024年夏の見通しです。