栃木県内、10代以下で感染拡大傾向 新型コロナ、新たな派生型も初確認 3カ月ぶり2000人台

県内の人口10万人当たりの年代別新規感染者数(7日間合計)の推移

 栃木県は22日、新たに2443人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの感染者が2千人を超えるのは8月25日以来、約3カ月ぶり。10代以下で特に感染が拡大しており、流行の「第8波」が本格化する中、県は学校や幼児施設などに対策の徹底を求めている。また、免疫を回避しやすいとされるオミクロン株の新たな派生型「BQ・1」の感染者1人を県内で初確認したことも明らかにした。

 1日当たりの新規感染者数が前週の同じ曜日を上回るのは18日連続。県内の累計感染者は26万7588人となった。入院中の70代男性1人と80歳以上女性2人、施設療養中の80歳以上女性1人の計4人が18、20の両日に死亡し県内の死者数は計570人となった。新規感染者は0歳~90歳以上。40代以下が全体の7割以上を占め、最多の10代が467人、10歳未満436人、40代369人と続く。

 クラスター(感染者集団)は高齢者施設で4件発生。野木町内8人、鹿沼市内21人、宇都宮市内の2施設で8人と7人が感染した。

 15日時点で人口10万人当たりの直近1週間の感染者数をみると、10代が1024人で最も多く、10歳未満が830人で続く。割合では全世代の半数を占める。16日以降も10代の感染者が最も多くなっており、休校する学校や幼稚園などの休園が増加している。

 県は、希望する幼稚園や保育園向けに抗原検査キットを配っており、キット活用や感染対策の徹底とともに、保護者に対して小児・乳幼児ワクチン接種の検討を改めて呼びかけている。

 新たに確認されたBQ・1は感染が広がりやすい恐れがあるとされ、国立感染症研究所は12月第1週には現在主流の「BA・5」と置き換わり、流行株になる可能性を示している。県感染症対策課は「まだ県内で置き換わりは進んでいないが、今後の状況を注視する必要がある」と警戒する。

 22日現在の入院者(予定者含む)は275人、宿泊療養者126人、重症者4人。21日時点の病床使用率は41.0%。

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