アライテントの『エアライズ2』は汎用性抜群の山岳テント!ベストセラー商品の魅力に迫る

こんにちは、もめです。前回の登山リュック、ミレー『サースフェー60+20』に続いて、またまた登山道具のレビューです。今回は、山岳テントのアライテント『エアライズ2』をご紹介します。山のテント場では必ず複数張り見かけるほど定番のエアライズ2ですが、多くの人に選ばれる理由は何なのでしょうか。実際に手にして感じた印象も含めて、詳細に紹介していきます。

多くの登山者からの高い評判でベストセラー!アライテント『エアライズ2』の概要

筆者撮影

『株式会社アライテント』は、50年以上の歴史を持つ老舗山岳用品メーカー。そんなアライテントが販売しているコンパクトテントのシリーズの1つが「エアライズ」です。

エアライズシリーズは、過酷な環境で使用することが考えられ、軽量性と居住性のバランスがとれているのが特徴。1987年の発売以降、長く愛されているベストセラーテントです。

筆者撮影

今回紹介する『エアライズ2』は、エアライズシリーズの中では「2人用テント」に位置づけられており、洗練された設営のしやすさや快適性が魅力です。

エアライズ2のスペック

  • 重量:1,550g(本体+フレーム+フライシート) + 220g(ペグ、張り綱)
  • サイズ(設営時):間口130×奥行210×高さ105cm
  • サイズ(収納時):本体30×15φcm、フレーム38cm
  • 素材
  • カラー
  • 付属品

アライテント『エアライズ2』は適切なサイズ感に必要な機能がばっちり搭載!詳細をレビュー

山岳テントの定番と言っても遜色ないエアライズ2ですが、なぜ多くの人から愛されるのか。ここからは、エアライズ2の詳細を紹介するとともに、その魅力に迫っていきます!

ちなみに、エアライズ2はスペック上は2人用になっていますが、今回私は1人で使う目的で2人用を購入しました。

荷物を置くスペースや快適性も重視するのであれば、スペック上の人数+1人でサイズを選ぶのがおすすめです。

ダブルウォールで自立式だから幅広く使いやすい山岳テント

筆者撮影 自立式でペグ打ちが必須ではないので、畳の上でも設営可能

山岳テントを大きく分けると、「ダブルウォール」か「シングルウォール」かの2つの選択肢があります。2つのタイプの主な違いは快適性と、軽量性・シンプルさの比重です。

基本的には、ダブルウォールは汎用性が高く、初心者でも使いやすい。シングルウォールは長所や短所、使えるシチュエーションをしっかりと理解する必要があるので少々上級者向けというイメージかなと思います。

今回ご紹介するエアライズ2は、テント本体に加えて、上からフライシートをかぶせる「ダブルウォールタイプ」。重さや設営の手間はありつつも、結露しづらかったり前室ができて過ごしやすかったりといったメリットがあります。

さらに、エアライズ2は自立式のテントであり、ペグが刺さらないような場所でも簡単に設営可能です。

山岳テントは自立式であるのが一般的ですが、キャンプ用テントに馴染み深い人からすると、非常に嬉しさを感じるポイントです。

筆者撮影 筆者愛用のもう1つのテント「パンダ クラシック」

ちなみに、私が主にソロキャンプで使っているテンマクデザインの「パンダ クラシック」はワンポールテントで非自立式。

1本のポールと4隅のペグを打つことで自立するので、基本的に岩場やコンクリートには設営できません。

パンダ クラッシックにはワンポールならではの広さや快適さがありつつも、いろんなところで設営する可能性がある場合は、エアライズ2のような自立式テントが向いています。

ポールはスリーブ式!工夫された構造で簡単設営

山岳テントのポールの装着の仕方には、大きく分けると「スリーブ式」と「吊り下げ式」の2種類があり、それぞれ違った特徴を持っています。

  • 吊り下げ式:設営が簡単で、ペグを打ってからでも設営することが可能。通気性も良い
  • スリーブ式:スリーブで均等に比重がかかり、丈夫な構造。風にも比較的強い

例えば、mont-bellの『ステラリッジ』は吊り下げ式で、今回紹介しているエアライズ2はスリーブ式です。どちらも山岳テントの定番ですが、それぞれ違う方法でポールを装着します。

耐風性や通気性などの機能面は、メーカーごとにさまざまな工夫がされており、一般的な環境下なら、吊り下げ式とスリーブ式の性能の違いを感じるシーンは少ないかもしれません。

エアライズ2では、スリーブ式ならではのデメリットになりやすいポールの通しずらさや通した後の自立のさせ方、通気性などのポイントにおいて、以下のような工夫がされています。

  • スリーブは最初から終わりまで途切れることなく設計されており、ポールを通している途中で引っかりづらい
  • スリーブの終点が行き止まりになっていて、ポールの端を固定するのは片方OK
  • スリーブとテント本体の間にはメッシュ生地が施されており、通気性を確保
筆者撮影

このように、エアライズ2は設営が簡単になる工夫とともに、スリーブ式のデメリットを解消しています。

なおかつ、スリーブ式のメリットといえる「丈夫さ」や「安定性」もばっちり確保している、バランスの良い山岳テントなんです!

ソロキャンプではゆったり使いやすい広さ

筆者撮影 試し張りの時の写真です。前室のおかげでマックの匂いがテント内に充満することはありません(笑)

冒頭でも触れたとおり、エアライズ2は2人用ですが、1人だとゆとりを持って使えるので、ソロにも適しています。

寝るスペースだけでなく、前室も1人用に比べて広くなるので、荷物を置くスペースを確保できるなど、快適に使いやすいメリットがあります。

ゆったり設計であるからこそ、登山のテント泊だけでなく、ソロキャンプで使う際にも快適です。

特に、キャンプだと登山よりも荷物が多くなりがちですので、広めのスペースがあると助かります。キャンプツーリングや徒歩キャンプでも役立ちますよ。

本格テント泊登山からソロキャンプまで幅広く使用可能!『エアライズ2』をおすすめする人

アライテントのエアライズ2をおすすめしたい人はこんな人です。

テント泊デビューに向けた最初のテントを探している人

ダブルウォールで前室付き、かつ狭いテント場でも使用しやすい短辺出口のエアライズ2は、幅広いシーンで活躍してくれること間違いなしです。だからこそ、テント泊用の最初のテントにぴったり。

エアライズ2からテント泊を始め、さらに自分が拘りたいポイントが出てきたら、それらに特化したテントに目を向けてみる……そんなテント探しの入り口にとってもおすすめです。

バイクや徒歩など軽量化を意識するキャンプスタイルを目指す人

登山だけでなく、軽量コンパクトを意識したいキャンプスタイルや旅寄りのキャンプを楽しみたい人にも最適です。

筆者撮影 パンダクラシックと梱包サイズを比較。

前述したとおり、エアライズ2はキャンプでも役立つ機能が満載のうえに、軽量性や設営のしやすさにも優れています。そのため、荷物を軽くしたいキャンパーや、旅がてらさまざまな場所でキャンプをしたい人におすすめできます。

私もバイクツーリングや徒歩キャンプのお供として、ワンポールテントのパンダテントと合わせて使い分けていこうと思っています。

メンテナンスや修理のしやすさを重視したい人

海外メーカーのテントだと、やはり物理的な壁や言語の壁などもあり、メンテナンスや修理の難易度が上がってしまいがちです。

一方で、エアライズ2は国内メーカーであるアライテントから発売されているので、「部品がなかなか届かない」なんてことも少なく、メーカー修理にも出しやすいです。また、メンテナンスや修理に関する情報収集もしやすいです。

今後も長く付き合っていく相棒テントして、「メンテナンス面で安心できる国内メーカーを選びたい」なんて人にはぴったりですよ。

自分でやるシームコートや重量など『エアライズ2』の気になるポイントも購入前にチェック!

エアライズ2を実際に手にしてみて感じた、気になるポイントもご紹介します。購入してから後悔しないよう、事前にチェックしておきましょう!

仕上げとしてシームコートを自分で塗る必要がある

筆者撮影 狭い1Kのアパートで張り、シームコートを塗る図

エアライズ2は、より確実な防水性確保のために、購入後に自分の手で「シームコート」を塗る必要があります

具体的には、ポールの端が来る4つ角に、付属しているシームコートを塗っていきます。

筆者撮影 あまりきれいに濡れなかった。。。(笑)

シームコートの塗り方はそこまで難しい手順ではないものの、事前に設営してシームコートを塗るひと手間があるので、正直面倒ではあります。

ただ、アライテントの公式にも記述があるとおり、確実な防水性を完成させるためには必要なひと手間です。

*より完璧な防水性能を発揮するために、必ず付属の防水液「シームコート」による防水加工を取扱説明書に従って行なって下さい。

また、「これさえやっておけば安心!」という信頼感もあり、メンタルの面でのメリットも存在します。ひと手間かけることで愛着も湧きますしね。

同タイプのテントにはもっと軽いものもある

エアライズ2は軽量性に優れたテントではあるものの、同じようなタイプのテントには、もっと軽いものも存在します。

例えば、mont-bellの『ステラリッジ テント2』の重量は、1,230g(本体+フレーム+レインフライ) + 200g(ペグ、張り網、スタッフバッグ) です。

エアライズ2は1,550g(本体+フレーム+フライシート) + 220g(ペグ、張り綱)なので、ステラリッジ2のほうが340g軽いです。

エアライズ2には丈夫さなどの魅力があるものの、より軽さを求めるのであれば、ステラリッジ テント2が選択肢に入ってくるかなと思います。

もちろん、どちらにもそのテントならではの良さがありますので、設営方法や好みで選ぶのがおすすめです。

内側の床がちょびっとトゥルトゥルしていて気になる

購入して実際に使ってみてから気になったのは、本体のフロアの素材が少々トゥルトゥルした触り心地なこと。

筆者撮影

トゥルトゥルが伝わりづらいと思いますが、モノや服が滑りづらいイメージです。

おそらくフロアの防水性・耐久性を上げたための素材なのだと思いますが、より快適性を重視するならフロアマットなどを併用するといいかもしれません。

アライテントの『エアライズ2』は多くの人に選ばれる理由あり!幅広い人におすすめできる山岳テント

筆者撮影

アライテントのエアライズシリーズは、長年多くの登山者に選ばれてきたベストセラーテントです。

エアライズ2を実際に触ってみると、軽量性・耐久性・快適性のバランスが素晴らしく、ベストセラーも納得の、多くの工夫がなされた洗練されたテントでした。

エアライズ2があればどこにでも住める気がしてきてしまいます。

テント泊デビューを考えている人、軽量で快適なツーリングテントを考えている人、長旅の相棒を探している人などなど、さまざまな人におすすめできるテントです。ぜひ今回の記事を参考に、エアライズ2の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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