津波の恐ろしさどう伝える?スカーフで表現 人形劇から学ぶ“想像力”と“共に助け合う心”【わたしの防災】

災害時に大切なのは「想像力」と「共助=共に助け合うこと」だといわれています。その心を育もうと子ども向けの「防災人形劇」が披露されました。

<人形劇より>

「ザパーン、あーくそー、行こうとしたのに。ザパーン、あー、勝った勝った、やったやった!」

浜松市で行われた防災人形劇のイベントです。静岡県内を襲うと想定されている「津波」がテーマでした。

<「人形つかいパペ」さん>

「津波のイメージはやっぱり東日本大震災の時の映像。メディア越しに見る映像、あっという間に水が進む速さとかが記憶に残っている」

アニメ制作会社やテレビ局で映画プロデューサーを務めた経験がある「人形つかいパペ」さん。今回、子育て支援団体の依頼を受け、防災人形劇を演じました。

<人形劇より>

「あ、ここ海か。海だから、よいしょっと、釣りしよ。何か釣れるかな、釣れないかな」

「ザパーン」

「え?なんだなんだ」

「ザパーン」

「え?なになに。あ、波が、高い波、どうしようどうしよう。どうしたらいいかな」

<「人形つかいパペ」さん>

「(劇では)津波の前ぶれという感じでやろうとしているんですけど、怖い感じにはしたくない。でも、津波、高波について考えてもらうきっかけになるように。自分が普段使っているスカーフでやると、波自体も怖くないかなと考えながらやっている」

<人形劇より>

「はじまり、はじまり」

「ランラランラ♪」

「浜松って空気がいいんだよな、あ~おいしい。きょうみたいな晴れた日は遊びたいな」

防災人形劇は、あかくんときいろくんが様々な遊びをするシーンで始まります。そこにやって来るのが「津波」です。

<「人形つかいパペ」さん>

「この2人の関係をどんどん見てもらって、子どもに愛着を持ってもらって。そのうちの1人が波がどわーって来た時に『わぁどうしよう』ってなって。みんな一緒に考えて、っていう風にやると、子どもたちがどんどん、こうしたらよいと、この子に向けていってくれる」

<話し合い>

「きいろくんとあかくんだけじゃなくてみんなで力を合わせる」

「それか、すごい深い穴を掘って、水を下にやる」

津波が来た後、キャラクターが助かるストーリーを子どもたちに考えてもらいます。

<話し合い>

「いちばん上まで走れるかな階段?」

「いちばん上じゃなくても、高いところ」

「3階くらい?」

「4階くらい」

大切にしたのは災害時を想像すること。話し合いの後はみんなで考えた津波から助かる方法をパペさんが即興で演じました。

<パぺさん>

「波が来たらどうしたらいいの?」

<子ども>

「高いマンション」

<パぺさん>

「高いマンション目指して走ればいい?」

<子ども>

「走ってる途中に波が来るかも」

<パぺさん>

「走っている途中に波が来たらどうするの?」

<子ども>

「ヘリコプターに」

<パぺさん>

「ヘリコプター?」

<人形劇より>

「あー来た、ヘリコプターが。ブルブル。助かったー、ありがとう、ありがとう」

<親>

「これからさらに考えるきっかけになると思いました」

Qこれからもし津波が来たらどうしたらいいか分かったかな?

<子ども>

「高い所に逃げたりする」

<「人形つかいパペ」さん>

「子どもに防災というテーマを伝えるのはすごく責任感がある。だけど人形劇ならではのやり方があるはずだと思って、人形に命はないけれど動かすだけで何か生きてるように見えてくる。取っ付きやすいし、おもしろいかなと。まねっこしてほしいと思います」

この人を助けるにはどうしたらよいのか。防災人形劇は災害時の「想像力」と「共に助け合う心」を育んでいました。

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