海外34大学と指定校推薦で提携 世界で輝ける人材育成へ 宇都宮海星女子学院高

「星の杜中高」のロゴマーク

 2023年4月に共学化し、「星の杜(もり)高」として開校する栃木県の宇都宮海星女子学院高は新年度から、オーストラリアのメルボルン大など海外の大学34校と指定校推薦で提携する。うち10校ほどは国際的な大学評価で日本の難関私立大より高ランクとされ、国際社会で活躍できる人材育成につなげる狙い。同校によると、海外の複数の大学との指定校推薦提携は全国でも珍しいという。同校は「海外大学への進学を身近に感じ、多くの学生に挑戦してほしい」としている。

 宇都宮海星学園が運営する同校は来年4月、中学校と併せて「星の杜中高」となる。海外大学との提携は学校改革の柱の一つで、留学を支援する県外の業者と検討を進めてきた。

 メルボルン大は1853年設立の国立総合大で、物事を考える上で基盤となるリベラルアーツなど幅広い教養を学べる。また、秋篠宮家の次女佳子さまが留学した英国のリーズ大、ニュージーランドで最も歴史あるオタゴ大など多くの名門大と提携する。

 国別では米国、英国各9校、オーストラリア7校、カナダ4校、ニュージーランド3校、マレーシア2校。奨学金支給など留学生支援が手厚い大学もある。幅広い選択肢から留学に踏み出してもらうことを狙う。

 出願には、英語の習熟度を測る国際的な検定で大学ごとに設定された成績を満たす必要がある。このため海星女子学院高はコミュニケーション能力の育成などを重視した英語教育に力を注ぐ。

 経済的な負担を減らすため、同校は出願費用などの支援制度も創設した。国内の一般的な学校推薦型選抜制度とは異なり、国内の大学も含めて併願もできる。

 国際交流担当の小口夢乃(こぐちゆめの)教諭(35)は「可能性を広げるために多くの生徒に海外へ目を向けてほしい。英語教育に磨きをかけてサポートしていく」と話した。

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