元交響楽団員夫婦が富良野でカフェを開業!その背景にあったのは「食を楽しむこと」への圧倒的熱量。

元東京交響楽団員として日本のみならず世界各国を飛び回っていたという宮本 直樹(みやもと なおき)さん、睦(むつみ)さんご夫婦。そんなお二人は今、直樹さんの出身地である富良野市でhalu CAFEという富良野の自然を存分に感じられるカフェを営んでいます。
今回はふるさと納税にも出品されている地元農産物を使った個性豊かなジャムの裏側やカフェを始められた経緯をお伺いしました。
「料理を作って自分で食べることも人に食べてもらうことも大好き」という彼らが生み出す、洗練されたお料理とゆったりとした空間をぜひ感じてみてください。

1.食を楽しむ二人旅

ーお二人のご経歴を教えてください。

直樹さん「僕はいくつかのオーケストラを渡り歩いた後、東京交響楽団というオーケストラで30年以上トロンボーン奏者として活動していました。
音楽の道に進むことになったきっかけは中学で吹奏楽部に入ったことです。僕は父親の仕事の関係で北海道内で転校を繰り返していたんですが、ある中学校に転校した時に相撲部の勧誘を受けたんです。入りたくないなと思っていたら知人に『吹奏楽部に入ったと言えばいい』との助言を受けて断ったんですね。それで本当に吹奏楽部に入部してしまって、気づいたら音楽大学を卒業してオーケストラに就職していました。」

睦さん「私は東京都出身で幼い頃にバイオリンを始めました。音楽大学を卒業してすぐに東京交響楽団に入団して、33年間バイオリン奏者として活動していました。」

直樹さん「かみさんの後に僕が東京交響楽団に入って、そこで知り合って結婚した形ですね。」

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ーどうして音楽の道から食の道へ?__

直樹さん「仕事柄、国内を回ることが多くて日本隅々を何周もしていたんですよね。それを30年近くやっていると何度も同じ地域を訪れるわけですよ。そうすると、『ここに行ったらあれを食べる』というのが徐々に決まってくるんですよね。
富山だったら12月の公演で行くのでちょうどブリが美味しいとか、仙台だと七夕祭りのある8月に行くから本マグロが揚るとか、熊本なら天草に行って養殖場直営の海老屋さんでクルマエビを買うとか、その土地と季節に応じて美味しいものを探していました

プライベートではオフになると大体海外旅行に出掛けていて、多い時には年間7回くらい海外に行っていました。
僕らの旅行は食べ物がメインだから、プリンスエドワード島に行ったら普通は赤毛のアンの舞台を中心に巡るんだろうけど、僕らは観光せずロブスターを食べに行ったり、カナダだったらケベックの世界遺産を見に行くんだろうけど、僕らは5月のメープルシロップの商品が出揃う時期にメープルシロップを買うために行くとか、そんな旅行ばかりしていましたね。」

ー食に対する熱量の大きさがカフェを開業するきっかけになったんですか?

直樹さん「それもありますし、定年までオーケストラで働けたと仮定して人生設計をした時に、60歳を過ぎると新しいことに挑戦できないなと感じたんです。僕たちはこれまで食べ物をテーマにした旅行をしていて、食べることが好きだし、料理も好きだし、人に食べてもらうことも好きだったんです。
かみさんは旅行先で知り合った農家さんから手に入れたフルーツでジャムやコンポートを作ったり、僕は家に友人を呼んで3日前から仕込んだ料理を振る舞ったりと、富良野市に来る前からずっと趣味としてやっていたんですよ。
だから自分たちがこれからどうしようかと考えた時に、この延長線上で食に関することをやりたいなと思ったんです。」

ーそこから富良野市でカフェをオープンするまでにはどんな経緯があったんですか?

睦さん「食に関することをやりたいと思ったのと同時期に、私は東京にずっと住めないなと感じて、主人とも東京以外のところで暮らすかどうかという話をし始めていたんです。」

直樹さん「そうすると出身地である富良野市が良いのかなと考えていた時に、富良野市にある六花亭さんのテラスからの景色を見て、かみさんと二人でこれいいねってなったんです。そこで六花亭さんの付近で土地を探して今のカフェの土地と出会い、ここでお店をやることに決めました。
そこから1年くらいかけてお店をどうするかと並行しながら、退団の準備を始めました。退団前から開業準備を進めるというのは計画的に聞こえるけど、非常に無謀なことでしたね。お金の面でもそうだし、右も左も分からないことだらけで大変でした。退団して開業するまでにさらに1年間かかって、2014年5月、僕が57歳の時にhalu CAFEをオープンしました。」

2.富良野の素材と人から生まれたジャム

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ーhalu CAFE はどんなカフェを目指していらっしゃるんですか?__

直樹さん「基本は富良野市周辺の食材を使って提供できるカフェを目指しています。せっかく富良野に来てくれるなら、なるべく地元産の手作りのものを味わってもらいたいんです。
うちでは毎日かみさんがパンを焼いてるんですよ。開業からずっと富良野の小麦を使ったパンを作っていて、生パスタの小麦も同じく富良野産。お米・野菜・お肉も基本的には富良野市周辺地域のもので、他の食材も北海道内のものを使うようにしています。」

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ートマトや玉ねぎなど変わり種ジャム作りを始めたのはなぜですか?__

直樹さん「トマトジャムとスパイシートマトジャムに使われているトマトは、カフェのすぐ近くにある蔵ファームさんのトマトです。富良野市に来た頃、農業の6次化を推進する勉強会が富良野市であったんですけど、そこで新規就農に向けて準備している蔵さんと知り合った。『一緒に何か作りたいよね』って話したのがきっかけになってうちで一番最初に手掛けたジャムが、蔵ファームさんの甘っこというミニトマトを使ったトマトジャムです。正直作り手としては非常に難しいトマトで大変なはずなんだけど、もう何年も頑張って作ってもらってるんですよね。
他にもハスカップやブルーベリージャムの原料はカフェの隣にある石井農園さんからいただいているんです。目の前の畑のものを使った料理を提供できるなんて最高ですよ。」

睦さん「玉ねぎジャムに関しては、昔から玉ねぎを煮詰めていろんな料理に使っていたのね。今は1週間に1回“玉ねぎの日”というのを作って、毎週40kgずつ炒めて約1日かけて炒めたまねぎにしているんです。ジャムにする前の炒め玉ねぎの時点で糖度が17〜18度くらいあって、食べてみるとすごく甘いでしょう?
富良野市は玉ねぎの一大産地だから、うちのカフェではこの炒め玉ねぎをカレーやボロネーゼソース、富良野和牛の煮込みに使ったり、もちろん玉ねぎジャムやベーコンジャムのベースにも使っています。
玉ねぎジャムもトマトジャムも本当に万能だからいろんな料理に加えて楽しんでいただきたいですし、ぜひ実際にカフェにいらして富良野の絶景と農家さんの畑を一望できるお席で料理を召し上がっていただきたいです。」

最後に

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