”在宅看取り” テーマの映画上映会 最期の迎え方 語り合う機会に<岩手県>

11月30日は“いいみとり”、最期をよく看取ってもらうという語呂合わせから、厚生労働省では「人生会議の日」と定めています。
最期を自宅で迎えたいか、病院で迎えたいかといったことを、あらかじめ家族や医療関係者と話し合っておくように推奨しています。
それを前に、11月12日、岩手県紫波町で「在宅での看取り」をテーマにした映画が上映され、参加者が思いを語り合いました。

11月12日、紫波町で開かれた映画の上映会。
テーマは在宅での看取り。
町内を拠点に活動する団体「みんなの健康らぼ」が企画しました。

メンバーの一人、医師の杉山賢明さんは、現在、一関市のやまと在宅診療所で副院長を務めていて、日々、自宅で暮らす高齢者のもとに出向いて診療を行う傍ら、団体では人生の最期の迎え方を普段から家族などで話し合う「人生会議」について広く知ってもらいたいと活動しています。

みんなの健康ラボ 杉山賢明医師
「自分の父親を看取ったこともあって、在宅医療とか『人生会議』とか、看取りについて色々な方に知ってもらうことは、自分自身のワイフワーク」

この日上映された映画は、鳥取県在住の医師・孫大輔さんが監督を務めた「うちげでいきたい」。
山陰地方の方言で「家で逝きたい」という意味です。
自宅で最期を迎えることを決めた末期がんの女性と家族の様々な思いや葛藤が描かれています。
参加者はそれぞれ自分の身に置き換えながら見入っていました。

上映後は、孫監督もオンラインで参加。
映画を通して、人生を語り合うきっかけをもたらしたかったと語りました。

「うちげでいきたい」監督 孫大輔医師
「日本の場合やっぱりその死について考えたり、大っぴらに話すことへのタブー感はまだ強いんじゃないか。映画っていうのは、その最初の敷居が低いというか、娯楽の一つだからみんなで気軽に見てみようかとなるわけですよね」

「自宅での看取り」という選択肢に理解を深めた参加者からは、在宅医療などのサービスがもっと広まってほしいといった声が聞かれました。

参加者
「(自宅周辺には)病院はあるが、各個人の自宅を回る医療体制がない」
「自分の(最後の)時は家族が来てくれるかな、いや来てくれる家族もいないなと」

こうした声に対し孫監督は「一人暮らしの人に対しても、自宅での看取りが可能な地域づくりを進めている例もあり、在宅サービスを充実させることが重要になっている」と答えました。

参加者
「10年ほど前に母を自宅で看取りまして、その時には情報が本当になかった。今こうやって皆さんで考える時間を作るというのがすごく大事だなと」

人生の最期を具体的に語り合う機会となった上映会。
杉山さんは今後もこうした催しを企画したいとしています。

みんなの健康ラボ 杉山賢明医師
「(上映会は)すごく反響が大きかったと思う。よかったです。『人生会議』とか、”死から見つめる生”というのが、自然と文化としてなじんでいくといいと思っています」

日本財団が高齢者を対象に行った調査では、6割の人が自宅で最期を迎えたいと答えています。(67~81歳男女 おととし11月実施)
どのように最期を迎えたいか。普段から話し合うことは大切。

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