小田原でアンコウカレー誕生 廃棄の未活用魚使いレトルト化 12月からCFを通じて試作品販売

小田原のアンコウを使ったレトルトカレー

 小田原でアンコウが捕れた? 漁師の間でひそかに食べられていたという小田原のアンコウを使ったカレーをレトルト化した「おだわらあんこうカレー」が誕生した。鍋の季節が過ぎてから漁獲ピークを迎えるため、買い手がつかず廃棄されていた小田原のアンコウを有効活用しようと、市や漁業関係者が商品開発に注力。本格的に商品化を目指したいと、12月からクラウドファンディング(CF)を通じて試作品を販売する。

 アンコウは北海道から九州の広い範囲で捕れ、小田原でも年間1トンが水揚げされる。深海性で一大産地の茨城県では、冬季を中心に底引き網漁で漁獲される。

 小田原では海底からアンコウが浮上してきたところで他の魚と一緒に刺し網にかかるため、春先から5月ごろにかけて多く捕れるが鍋の季節は終わっており、買い手がつかないという。

 そのため、多くのアンコウが捨てられていたが、漁師からも有効活用を求める声が上がり、地元の漁業関係者と市などでつくる「小田原地魚大作戦協議会」がアンコウの加工商品開発に着手。同市漁業協同組合女性部が2013年に「おかみさんレシピ」として考案したカレーに着目した。

 アンコウの骨で出汁(だし)を取り、肝も皮も具に使ったぜいたくな逸品。市は「以前から小田原の漁師の間ではカレーにアンコウを入れて食べる文化もあったが一般の人には知られてなかった」と説明する。

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