「ケーキを食べてにっこりしてもらえれば最高の幸せ」も…クリスマス前に飲食業を悩ます「15%」とは【家計のミカタ】

「LIVEしずおか」では、数字を通して日頃の生活で気になる家計の「見方」を皆さんの「味方」になって考えていく「家計のミカタ」をお伝えしています。今回の数字は「15%」あと1か月に迫った「クリスマス」にまつわる数字です。「15%」のミカタとは—。

クリスマスに欠かせないローストチキン。静岡市葵区鷹匠の「ロティサリーアンドゥ」は、鶏肉を一羽丸ごとぜいたくに使ったローストチキンで知られる店です。専用のローストマシンで丁寧に焼き上げたチキンは、外はパリパリ、かめば、肉汁があふれるクリスマスの主役です。

<「ロティサリーアンドゥ」山下裕一店主>

「クリスマスの時期に、毎年毎年、食べに来てくれる方もいれば、普段も食べに来る人もいる」

クリスマスシーズンには、このローストチキンを300個用意するということですが、2022年は苦渋の決断を迫られました。店内で食べるクリスマスのディナーコースを500円値上げせざるを得ませんでした。

理由は鶏肉の高騰。ロシアのウクライナ侵攻を受けての品薄や物流費の上昇により、2021年の同じ時期に比べて「15%」ほど値上がりしたといいます。さらにディナーに使う野菜や調味料、電気料金も値上がりし、価格に転嫁せざるを得ませんでした。なんとか踏ん張ってテイクアウト用のローストチキンは、2022年も値段を据え置くということです。

ローストチキンに並ぶクリスマスの主役・ケーキにも、値上げの波が押し寄せます。

<「パティシエ キドコロ」木所晃一代表>

「チーズ、生クリーム、バター。この辺がどうしても高い」

Q去年と比べるとどれくらいの値上げ?

「10%から15%値上がりしている」

乳製品が今年に入って軒並み値上がり。さらにクリスマスケーキに欠かせないイチゴが台風被害や燃料高騰などにより、値上がりするとみられ、全体としては「15%」ほど材料費が上がる見込みです。

しかし、「家計も苦しいはず」とこちらのお店では、2022年は価格を据え置くことを決めました。

<「パティシエ キドコロ」木所晃一代表>

「せっかくですので、家族で夕飯の後に、できれば、こちらのクリスマスケーキを食べて、にっこりしてもらえれば、作り手としては最高の幸せだと思う」

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