お好み焼TAKU ~こだわりの食材と特注の鉄板、22年間変わらぬ味の本格広島風お好み焼を倉敷で

本格広島風お好み焼を食べるために広島へ、という人もたまにいますよね。

でも、広島までなかなか行けないものですよね。

倉敷美観地区から程近くに、広島で修業をした店主が本場の味を再現したお好み焼屋があります。

2022年現在で開業から22年続く、変わらぬ味が人気のお店です。

お好み焼以外にも、カレーB級グルメもあります。

店主のこだわりがたくさん詰まった、お好み焼TAKUを紹介します。

倉敷美観地区に近く、ホッとできる懐かしい雰囲気のお好み焼TAKU

お好み焼TAKUは、美観地区から徒歩ですぐのところにあります。

大きな木の看板が目印です。

店内に1歩入ると、もうソースの香ばしい香りがしてきます。

来店した有名人の色紙などが飾ってある温かく懐かしい感じの店内。

店主が作成したアクリルシートやスクリーンで、新型コロナウイルス感染症拡大対策がしっかりされていました。

どこか懐かしい雰囲気の店内で、カウンター席からはお好み焼を焼いているようすがよく見えます。

そばは広島から取り寄せた生麺、うどんは讃岐うどん、キャベツは新鮮な国産と、とことんこだわっています。

メニューも豊富にそろっており、倉敷で岡山県発祥のB級グルメが食べられるのもうれしいところです。

入口には、かわいいい七福神たちがお出迎え。

人気メニューの紹介

TAKUにはお好み焼、カレーB級グルメから一品料理までさまざまなメニューがあります。

一品料理の牛すじ煮込みやチーズオムレツも注文が多いそうです。

テイクアウトのお好み焼など調理中

調理中から良い香りがしてきています。この香りがたまりません。

店主おすすめの人気メニューを食べました。

広島定番(生そば)¥998

ソースをかけるとジューっとした音とともに、香りがフワッと広がりました。

一口食べるとこれぞ広島風お好み焼と思わせる味がたまりません。

もちもちの生地としっとりした国産キャベツ、カリッとした豚肉がソースと絡み本当に美味しかったです。

広島から取り寄せた、茹でたてのもっちりした麺もお好み焼と相性抜群でした。

マヨネーズや辛口ソースをかけると味変になり、2度も3度も美味しい。

特上ホルモンうどん(讃岐うどん) 1,150円

地元の若者にも観光客にも人気の一品。

プリプリのホルモンの脂がじゅわぁっと口の中に広がり、たまらない美味しさです。

脂にほんのり甘味がありました。

また讃岐うどんの程よいコシが最高で何度でも食べたくなる味です。

シャキッとしたキャベツも良いアクセントに。

ビールを飲みたくなりました。

出来立て熱々が一番美味しいのでテイクアウトはしていません。

よくばり焼きそばカレー 1,480円

カレーもお好みソースも食べたい人にと考えられた新メニュー。

ちょっとライスも食べたくなるので、小さいおにぎりにチーズのトッピング。

さらに目玉焼きをのせた本当によくばりな一品です。

焼きそばとカレーの珍しい組み合わせですが、両方の良さが合わさってガッツリ食べられます。

10種類以上の香辛料とたくさんの野菜と果物を使ったTAKUのオリジナルカレーは少しスパイシー。とってもいい香りでした。

やさしい辛さのカレーはお子様にも大人気。

数々の人気メニューを開発し調理している、TAKU店主の大森拓(おおもり たくし)さんにさんにインタビューを行いました。

お好み焼TAKU店主の大森 拓さんにインタビュー

取材中も私たちに気配りをしてくださる手際の良い店主です。

店主の大森拓さんに話を聞きました。

──開業のきっかけは?

大森(敬称略)──

広島で飲食店をしていたんですが、倉敷に帰って来なくてはいけなくなったんです。

倉敷に帰って来て何をしようかなぁと考えたときに、僕はカレーが好きだったんでカレー屋さんはどうかなと。

でも人からカレーは家で食べるものだと言われたんです(笑)。

じゃあ何が出来るかなと考えて。

うちのかみさんが広島出身で、僕も広島でお好み焼をいろいろ食べて、そして知り合いの所に修業に行かしてもらったりして、お好み焼を始めてみようかなと思ったんです。

その後ソース屋さんにも勉強に行って、改めてお好み焼について学びました。

でもここは広島じゃないから、中途半端なお好み焼を作るんだったらしないほうがよいだろうと思って。

だから麺も広島から取り寄せているんです。

それをすると倒産するよといわれるんですが、本当に美味しいものだけ使いたいんです。

そのなかで好物のカレーも一緒にメニューにしたいなと。

うちのカレーはインド人が食べて美味しいと言ってくれたこともあります。

そうやりながら22年やってきたんです。

──人気メニューについて教えてください。

大森──

開業時からお好み焼とカレーの2本柱です。お好み焼もカレーもよく出ます。

やっぱりホルモンうどんは若者の注文が多いですね。

最初のころは良いホルモンが手に入らなかったんです。うどんは讃岐うどんを使って、たれも美味しくて。

でもホルモンが良くないから人気がなかった。

今は一番良いホルモンを持ってきてもらっているから、本当に美味しいです。結構出るようになりましたね。

うちのかみさんがああしようこうしようと言ってくれて、開業から20年超えてできたメニューが焼きそばカレーなんです。

焼きそばカレーは初めて食べる人がカレーなの?焼きそばなの?と言いながら食べてくれて(笑)。

食べてみたら美味しいということで、食べる人は食べるだろうとメニューに載せました。

──お店のこだわりは?

大森──

広島風の看板をかかげてるから、なんだこれはと思われたくないんです。

特注の鉄板も厚さ2センチメートルのものを使っていて、鉄板だけで1トンあります。

鉄板を温めるために230度くらいまで温度を上げるのですが、決して曲がらないんです。

薄い鉄板だと焦げ付いたら曲がって油も小麦粉も一緒になって食べにくい。

この鉄板を使ってないと広島風お好み焼はできないんです。

──店内に飾ってある組み木についてのエピソードは?

大森──

店内に飾ってある組み木も作って売りたいなと考えています。

組み木の有名なデザイナーの小黒三郎(おぐろ さぶろう)先生がうちのお客さんでカレー食べに来ていたことがきっかけで作り始めました。

機械も小黒先生が昔使っていた古い機械を送ってもらったんです。

僕の作るのはオリジナルで全部猫の顔をしています。

子どもの頃から三毛猫が好きだったこともあって。

磁石を入れたり鈴を入れたり工夫して、いろいろな組み木を作っています。

猫の顔の七福神

──今後の抱負は?

大森──

本当にここでいろいろな人と出会わせてもらいました。

インバウンドのときは外国人観光客もたくさん来られて、英会話で対応したりしましたしね。

店主が作成した外国人観光客向けのメニュー

このメニューでたくさんの人に喜んでもらいました。

新型コロナウイルス感染症の影響で店が流行らないときは大変でしたが、これからは忙しくなるのではと思っています。

体力的にも営業時間がだんだん短くなってきているんですが、わざわざ来てくれた人が来ても閉まっていたということがないように、がんばってやろうと思います。

おわりに

たくさんの人に美味しいものを食べて喜んでもらいたい、という店主の気持ちがたくさん込められたお店です。

また、仲の良いご夫婦で知恵を出し合い営まれている姿にもほっこりさせられます。

22年間変わらぬ味の広島風お好み焼を、ぜひ倉敷で食べてみてください。

店内で配布している店主の作成したポストカード

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