初の逆転勝利、非欧州勢で初めてドイツに勝ち越し…日本の歴史的な勝利を数字で見る

日本代表の勝利はあまりにも衝撃的だった。4度の優勝を誇るドイツ代表に勝ったこともそうだが、その内容があまりにもセンセーショナルだった。

日本にとっては初めて尽くしの歴史的な勝利になったのだ。それでは、この勝利がいかに“あり得ない”ことなのか、データと共に日本の素晴らしい勝利を振り返ってみよう。日本の劇的な逆転勝利は、数字で見ても衝撃的だ!

[写真]=Getty Images

■日本が歴史を塗り替える

日本がワールドカップで逆転勝利を収めるのは初めてのことだ。日本はドイツ戦の前まで、ワールドカップで21試合を行い、5勝5分け11敗だった。2002年の日韓大会でロシアとチュニジアに勝利し、2010年の南アフリカ大会では格上と思われたカメルーンとデンマークを退けた。そして前回のロシア大会では、グループステージ初戦でコロンビアに2-1の勝利を収め、そのまま見事にグループステージを突破した。

しかし、これまでの5勝は全て日本が先制したゲーム。先制された試合は過去に9回あり、結果は0勝2分け7敗だった。そのため今回のドイツ戦は、ワールドカップにおいて日本サッカー史上初めての逆転勝利となったのだ!

一方で、ドイツにとっては久しぶりの逆転負けとなった。ワールドカップの舞台で、リードしてハーフタイムを迎えた試合でドイツが後半に逆転負けを喫するのは44年ぶりのこと! 西ドイツ時代の1978年大会で、後半に入ってオーストリアに2-3で逆転負けを喫して以来のこと。それ以降、ドイツは前半をリードして折り返した試合は21試合連続で負けていなかったという。

■ワールドカップ史上最大の番狂わせ…?

日本vs.ドイツの試合前の勝敗オッズを見ると、やはり4度の優勝を誇るドイツが圧倒的に有利だった。ドイツが勝利するオッズは「1.49倍」。100円を賭けても149円にしかならない非常に低いオッズであり、いかにドイツが本命視されていたかがうかがえる。一方で、日本が勝利するオッズは「7倍」だった。100円が700円に変わる、何とも魅力的なオッズだったのだ。そう考えると、今回の日本の勝利は「ワールドカップ史上最大の番狂わせ」と言い切りたいところだが、そこには「サウジアラビア対アルゼンチン以降で」という前置きが必要になる!

日本戦の前日に行われたサウジアラビ対アルゼンチンの方が、日本戦よりも大きな番狂わせだった。リオネル・メッシを擁するアルゼンチンを相手に2-1の逆転勝利を収めたサウジアラビアだが、彼らが勝利するオッズは「21倍」だったのだ。100円が2100円に化ける、桁外れの番狂わせだったのだ!

■日本にとって歴史的な“大物食い”

日本は、ワールドカップにおける“大物食い”の記録も更新した。今大会、日本はFIFAランク24位。対するドイツは11位。これまで日本がワールドカップの舞台で倒したことのある最上位のチームは、2018年大会のグループステージ初戦で対戦したコロンビアでFIFAランク13位だった。今回は、それを上回る11位のチームを倒したことになる! ちなみに、今大会のグループステージ第3戦で当たるスペインはFIFAランク7位。日本にとっては“大物食い”の記録を更新するチャンスだ。

■ドイツキラーかも?

22回出場のブラジルに次ぐ出場数を誇るドイツ(20回目の出場)。今回の日本戦はワールドカップ通算110試合目で、これは一時的だがブラジルを抜いて歴代最多ゲーム数となる(今大会の初戦でブラジルも110試合になる)。ドイツは、今回の日本戦を含めて47か国と対戦してきたわけだが、ワールドカップでの対戦成績で彼らが負け越している相手は6チームしかいない。そのうち5チームはヨーロッパ勢(イタリア、東ドイツ、セルビア、デンマーク、クロアチア)。ドイツはアルゼンチンに勝ち越しているし、ブラジルとは1勝1敗の互角の成績なのだ。そのため、例え1試合だけの結果とはいえ、ワールドカップの歴史において、ドイツが負け越している唯一の非ヨーロッパ勢が日本なのだ!

■ボールなんか要らない

終始押し込まれた前半の日本は、データサイト『Opta』によるとポゼッション率がわずか19%だったという。これは、スペイン戦のコスタリカ(15.1%)、イングランド戦のイラン(18%)に次いで今大会で3番目に低い前半の数値だ。後半に入り、システム変更が功を奏して盛り返したとはいえ、日本の最終的なポゼッション率は「26.2%」。

前日のサウジアラビアでさえ、アルゼンチンを相手にポゼッション率「31%」で逆転勝利を収めており、日本の「26.2%」の勝利がどれほど“異質”か分かるだろう。『Opta』によると、1966年大会から数えて「26.2%」を下回ったチームがワールドカップで勝利を収めたのは過去に1度しかないという。それが2018年の韓国代表の「26%」。そして、その時の相手がグループステージ第3戦のドイツ(2-0)だった!

■パスって大事なの?

ドイツは前半だけでパス成功数が「422本」もあった。『Opta』によると、これは詳しいデータ集計が始まった1966年大会以降でワールドカップにおける最多記録だという。もちろん、日本戦の後に行われたスペイン7-0コスタリカで、スペインが前半だけで「パス成功数538本」とすぐに記録を更新したのだが、その試合と比べても日本の戦いは異様だ。

前半の日本のパス成功数はドイツの約7分の1で「62本」。これは0-7で大敗を喫したコスタリカの前半のパス成功数(71本)よりも少ないのだ。それどころか前半の日本は、ドイツのDFニコ・シュロッターベックの一人のパス成功数(66本)よりも少なかったことになる!

しかし、後半に入ると流れは一変。日本が「62本」から「125本」に倍増させたのに対し、ドイツは「422本」から「264本」に半減した。最終的なパス成功数ではドイツ(686本)が日本(191本)を圧倒したことになるが、これほど前後半で劇的な変化が生まれた試合も珍しい。

■ゴール期待値

『Opta』によると、ドイツのゴール期待値は「3.3」だったという。1966年大会以降、これだけのゴール期待値を記録したチームが負けるのは初めてのことだったという。しかし、ドイツがチャンスを無駄にすることは珍しくないようだ。ワールドカップの試合で「2.5」以上のゴール期待値を記録したチームが負けるのは今回で4度目。その4回のうち、実に3回がドイツだというのだ!

■初戦を勝利したら突破率83.6%

ワールドカップが32チーム制になった1998年大会から前回の2018年大会まで、グループステージ初戦に勝利したチームは73チームあり、そのうち61チームが見事に決勝トーナメントに駒を進めている。初戦に勝利したチームのグループ突破の確率は「83.6%」。日本のベスト16進出が見えてきたぞ!

(記事/Footmedia)

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