龍神にクマノザクラ植樹 知事や市長、住民ら参加

クマノザクラの記念植樹をする仁坂吉伸知事(手前から2人目)や真砂充敏市長(同5人目)ら=23日、和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で

 和歌山県田辺市龍神村の「龍神温泉の森をつくる会」(平岡照章会長)は23日、龍神温泉近くにある山でクマノザクラの植樹会をした。仁坂吉伸知事や真砂充敏田辺市長らも参加して、地元の子どもたちや地域住民らが苗木200本を植えた。

 龍神温泉の森をつくる会は、龍神温泉協会や県森林インストラクター会、和歌山の森林の魅力や現状を学ぶ「わかやま森づくり塾」の3団体で設立。花の名所をつくり、温泉や宿泊施設への誘客と地域の活性化につなげようと、クマノザクラの植樹を計画し、県の2022年度「未来を彩る花の郷づくり事業」に採択された。

 山林を整備し、最終的には1万本のクマノザクラを植える計画で、本年度はまず1.5ヘクタールに700本を植える予定にしている。地域の住民にも植樹に参加してもらうことで、クマノザクラのことを知って、地域への愛着や誇りを持ってもらえるようにと今回の植樹会を企画した。

 この日は「龍神温泉元湯」の社長でもある平岡会長、県森林インストラクター会会長の岡田和久さん、龍神温泉協会会長の若井浩平さん、龍神村の「龍の里づくり委員会」委員長の伊藤研治さんのほか、地域の住民や子どもたち、同委員会のメンバー、龍神中学校の2、3年生有志7人ら計約100人が参加した。

 開会式で仁坂知事は「われわれが死んでも、あっと驚くような自然や、人に感動してもらえるものを残していかないといけない。50年、100年後、龍神村にはクマノザクラがあり、山一面に咲く場所があると言えるようになると思う。この地には温泉もあり、吉野にも負けない名所になる」と述べた。

 その後、岡田さんや県森林インストラクター会と「わかやま森づくり塾」のメンバーが指導に当たり、参加者は山の斜面にくわで穴を掘ってクマノザクラの苗木を植えていった。

 龍神中学校2年生で生徒会長の深瀬伸君(14)は「無事に大きく育ってほしいと思いながら植えた。将来、ここがサクラの名所になって、自分たちもこのサクラを植えたと言えるようになったらうれしい」と話した。

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