知事選の投票率、回復なるか 若者に呼びかけ強化

歴代知事と知事選の投票率

 和歌山県知事選は27日に投票、即日開票される。過去2回の投票率は40%未満。県選挙管理委員会は特に投票率の低い若年層への啓発を強化しており、投票率の行方にも注目が集まっている。

 立候補しているのは、無所属で政治団体「新党くにもり」元代表の本間奈々氏(53)、共産公認で党県常任委員の松坂美知子氏(66)、無所属で前衆院議員の岸本周平氏(66)の新顔3人。27日深夜には大勢が決まる見通し。

 投票率は前々回の2014年が39.65%、前回18年が38.33%。04年以降は50%を超えたことがなく、有権者の半分以上が投票に行かないまま知事が決まっている。

 過去を振り返ると、新顔対決は投票率が高い傾向にある。仮谷志良知事が初当選した1975年は70.30%、西口勇知事が初当選した95年は70.27%、木村良樹知事が初当選した2000年は51.31%。仁坂吉伸知事が初当選した06年は、木村知事が逮捕されたことによる出直し選だったこともあり、例外として35.21%と過去最低だった。

 前回知事選の年齢別投票率は18~19歳27.97%、20~24歳21.69%、25~29歳27.74%と、30歳未満は30%を下回っている。最も投票率の高い70~74歳は57.12%だった。

 県選管では若者に選挙に関心を持ってもらおうと、地元のサッカーチーム「アルテリーヴォ和歌山」(和歌山市)を啓発キャラクターに起用。ポスターや動画などで選手に投票を呼びかけてもらっている。

 また、県立高校などに校内放送で知事選をアナウンスしてもらったり、投票を呼びかけるメッセージをリレー形式で毎日ツイッターで発信してもらったりしている。

 若者の動向とともに気になるのが、選挙期間中に開幕したサッカーワールドカップ。27日は日本代表の第2戦、コスタリカ戦が午後7時からある。県選管は「注目度の高い試合だが、キックオフの前にぜひ投票を済ませてもらいたい」と話している。

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