LRT25日から走行調査 宇都宮市、車両の振動など解析へ

脱線し傷付いたLRTの車体と作業員ら=19日午前8時35分、JR宇都宮駅東口

 試運転中に起きた次世代型路面電車(LRT)の脱線事故について、宇都宮市は24日、現地調査を行った専門家の意見として「車両の横振れと速度影響の解析を行うことなどが必要」との指摘を受け、25日から振動などのデータを解析するための走行調査を行うことを明らかにした。

 22日に事故現場を調査した専門家2人の考察によると「車両や軌道に構造上の大きな課題は確認されなかった」。ただ、脱線した車両のドライブレコーダーの記録では「車体が進行方向に対して横に大きく振れており、車両先頭部の張り出しが大きい」ことが判明。「速度を適切に管理していくことが必要と考えられる」と指摘した。

 脱線の状況に関しては、先頭車輪の内軌側から脱線し、その衝撃で2両目も脱線したことが推察されるとし「走行中に1両目内軌側車輪の輪重が抜けたことが脱線原因の大きな要因と考えられる」とした。

 市はこうした指摘を踏まえ、25日から平石停留場周辺と宇都宮駅東口停留場周辺で、速度と車両の揺れの関係を調べる「振動加速度計」を使い、時速5~10キロでの走行調査を行うことを決めた。

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