カジヒデキ、『A ROOM WITHOUT YOU e.p.』12月7日発売! 本人による全曲解説が公開

カジヒデキが『A ROOM WITHOUT YOU e.p.』を12月7日に発売する。 「きみのいない部屋」、「A Merry Jingle」(performed by DOTS+BORDERS)、「ハローとスマイル」という3曲が収録されたこのEPについて、カジヒデキ本人が寄稿した全曲解説をいかに紹介しよう。

春に「APRIL FOOL」、夏には「SUMMER SUNDAY SMILE」と、その時々の季節の風景を盛り込んだ楽曲をリリースし てきたカジヒデキの2022年を締めくるる冬の楽曲たちが完成いたしました。

今年のウィンターソングは、レイモンド・カーヴァー風な(?)どんでん返しでハッとしてグーな、切なくもふわっと温かいラブソングです。

僕自身、クリスマスソングや冬をテーマにした歌を書くと、なぜか別れの歌や、ひとりぼっちの歌になってしまう。それはきっとAztec Cameraの「Walk Out To Winter」や、フリッパーズ・ギターの「すべての言葉はさようなら」と言った冬の歌が好きだったから。そう、WHAMの「Last Christmas」とかね。今年こそはハッピーな冬の歌を書こうとしたところ、堀江プロデューサーから「一人で過ごす冬の一日、みたいな歌詞がいいんじゃない?」とアドバイスを受けたので、やっぱり僕には一人きりの冬が似合うんだなと「きみのいない部屋」を書きました。ただ、寂しい歌にはしたくなかった。

一見、別れの歌なのかと思わせて、全然違う結末を迎える。まるでレイモンド・カーヴァーの短編小説にありそうなストーリー。もしくは数年前、上野樹里さんと中村倫也さんが出演されていた大和ハウスのCM。怖がりの頼りない夫だけど、とても優しくて信頼がおける人物。そんな人を主人公にしてみた切なくも温かいラブソングです。

この曲のサウンドの肝は、堀江博久くんのキーボードと、とても古い付き合いながら僕のレコーディングでは初登場の深沼元昭くんのギター!深沼くん率いるPLAGUESで20年以上ライブ活動を共にしてきた二人のアンサンブルは極上です。ネオアコ心も持つロッカー、深沼くんのアルペジオやフレーズのエモさにどうぞ泣いて下さい。MIXも深沼くんに初依頼し、僕が求めて来たネオアコの真髄に、また一歩近づくことが出来ました!

2曲目のカヴァーは堀江くんの発案。以前からこの曲を演ろうってよく言われていた、ハッピー極まり無いクリスマスソング! 昨年リリースしたウィザードの「毎日がクリスマス」に続き、ヴェリー・ブリティッシュな70年代の名曲。そう、僕らは完全に英国派であり、ロンドナーを気取りたいんです笑! 久しぶりにDOTS+BORDERS名義で。これは来年活動再開するのか!?

3曲目の「ハローとスマイル」はスウェーデンの冬をテーマに作ったコンセプトアルバム「SWEET SWEDISH WINTER」収録曲のセルフカヴァー。この曲の歌詞は、1995年6月に僕が初めてスウェーデンを訪れた時、シェレフティオと言う最北の街で開催されたフェスを観に行き、その時に出会った当時大好きだったバンドのボーカルの男子と意気投合した実話が、元になっています。もちろんニューヨークの話は脚色ですが、バンドマンはみんなこんな夢を持っているよね! と言う歌です。

PET SHOP BOYの「LONDON」と言う、僕の大好きな曲にもインスパイアされて作った曲です。

カジヒデキ 全曲解説でした!

※2曲目の「A Merry Jingle」はThe Greediesが1979年に唯一発表したシングル曲のカヴァー。メンバーはThin Lizzy、Sex Pistolsのメンバーからなる、いわゆるスーパーグループになります。

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