食料無償提供 倉敷に公共冷蔵庫 県内2カ所目、年内にも本格運用

四ツ葉会が開設した公共冷蔵庫「みんなのれいぞうこ」=倉敷市沖新町

 社会福祉法人「四ツ葉会」(倉敷市徳芳)は、生活困窮世帯などに24時間いつでも食料品を無償提供するコミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)を同市内に設けた。岡山市で全国初の公共冷蔵庫を運営する団体と連携し、県内2カ所目の施設として年内にも本格運用を始める。

 公共冷蔵庫「みんなのれいぞうこ」は、四ツ葉会が運営する障害者の就労継続支援B型事業所「オーダーメイド大高」(倉敷市沖新町)の一室に整備した。冷蔵庫と陳列棚があり、個人や企業などから寄付された冷凍食品や米、インスタント食品、菓子といった食料品と日用品を置く。B型事業所で栽培した農産物も並べる。利用者は、専用アプリを入れたスマートフォンなどで電子キーを操作して出入りする。

 当面は子育て家庭を対象とし、将来的には高齢者世帯の支援も視野に入れている。B型事業所の利用者が社会貢献で活躍できる場にもする考えで、寄付品の在庫管理や陳列、施設内の清掃に当たる。

 全国初の「北長瀬コミュニティフリッジ」(岡山市北区北長瀬表町)を2020年11月に開設した一般社団法人「北長瀬エリアマネジメント」(同市)から電子キーや利用者・寄付者の登録、在庫管理といった各種システム、運営ノウハウの提供を受けた。

 9月から試験運用している。倉敷、総社市などの45世帯が利用登録し、個人や企業など20人・組織が寄付の協力を申し出ている。

 四ツ葉会の吉田秀樹オーダーメイド施設長は「食料品を提供するだけでなく、利用者の自立を支え、生活を豊かにできるような支援拠点としていきたい」と話している。

 利用や寄付の問い合わせはオーダーメイド大高(086―436―7420)。

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