操山高生自殺 報告訂正申し入れ 文科省に県教委、第三者委と相違

岡山県庁

 2012年7月に操山高(岡山市中区浜)野球部マネジャーの2年男子生徒=当時(16)=が自殺した問題で、岡山県教委が翌13年に文部科学省に対し、生徒が置かれていた状況として、両親の叱責(しっせき)や学業不振があったと報告していたことが24日、関係者への取材で分かった。有識者による第三者調査委員会の報告と食い違っている点があり、県教委は今年9月に訂正を申し入れた。

 この問題を巡って調査委は21年3月、生徒の自殺は当時野球部の監督だった教諭の不適切な指導が原因とする報告書を公表。県教委は今後、再発防止策をまとめることとしている。

 関係者によると、全国の学校現場での自殺やいじめの状況に関する文科省の調査に対し、県教委は生徒について「父母等の叱責」「学業等の不振」「厭世(えんせい)」「教職員との関係での悩み」があったと回答。一方、調査委は報告書で「生徒の家庭に特段の問題点は見いだせない」などと指摘している。県教委は「教職員との関係」を除く部分の削除を求めたという。

 生徒の父親は山陽新聞社の取材に対し、文科省への当時の報告について、今年6月に初めて県教委から説明を受けたとし「これまで伝えてこなかった隠ぺい体質は許せない。教諭との関係以外の原因に置き換えたい意向があったのだろう」と話した。

 県教委は「遺族の要望を踏まえ、今後も再発防止策の検討をしっかり進めていきたい」としている。

 生徒は11年、野球部に選手として入部し、12年に一度退部。マネジャーとして復帰後に岡山市内で亡くなった。

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