21年度も5路線8区間赤字/JR東が公表

 JR東日本は24日、利用者が少ないローカル線の2021年度の区間別収支を発表した。青森県関係では奥羽、大湊、五能、津軽、八戸の5路線8区間が該当し、全て赤字だった。8区間については同社が7月に初めて19、20年度の経営状況を公表しているが、収入から支出を差し引いた収支に大きな変動はなかった。沿線自治体の人口減少や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動自粛を背景に、厳しい経営が続いている。

 公表対象は、新型コロナが流行する前の19年度に、1日1キロ当たりの平均乗客数(輸送密度)が2千人未満だった区間。21年度の赤字額は、奥羽線の大館(秋田)-弘前間が24億2200万円(19年度比1500万円減)で、8区間中最も大きかった。津軽線・青森-中小国間が19億8600万円(同1億7800万円減)、五能線・能代(秋田)-深浦間が16億9200万円(同1億600万円増)で続いた。

 費用に対する収入の割合を示す収支率は、津軽線・中小国-三厩間が1.2%と、3年連続で8区間中最低。100円の収入を得るために必要な費用「営業係数」は8582円で最も高く、19年度の7744円を上回った。

 同区間の沿線自治体・外ケ浜町の山崎結子町長は21年度の収支について「新型コロナ感染拡大で観光客が少なかった影響があったはず」と推測。津軽線・蟹田-三厩間は8月の大雨被害の影響で運休が続いており、「商売をしなければいけない民間企業の立場として(JR東は)厳しい状況だと思うが、町民の生活の足として路線を残してほしい」と求めた。

 五能線も一部区間が大雨の影響で不通となっている。同線沿線連絡協議会長の佐々木孝昌五所川原市長は「代替バスの利用状況を把握することで五能線の価値を再確認し、存続に向けた参考にしたい」と話した。

 JRの収支公表は地方路線の赤字状況を地元と共有し、路線の存続策やバスへの転換など持続可能な公共交通の在り方を議論するのが狙い。東直樹県企画政策部長は「収支を見て本県在来線の経営が大変厳しいと受け止めた。引き続き、路線維持に向けた取り組みを続けていく」と述べた。

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