サッカーW杯 日本勝利「信じていた」 森保監督、吉田主将の地元長崎は熱狂

後半30分、MF堂安の同点ゴールに沸く市民ら=長崎市民会館文化ホール

 サッカー・ワールドカップ(W杯)で日本がドイツに2-1で逆転勝ちした23日深夜、森保一監督(54)とDF吉田麻也主将(34)の地元長崎市も歓喜に包まれた。下馬評は決して高くなかっただけに、2人の関係者は「必ずやってくれると信じていた」「集大成への熱い思いを感じた」などと誇らしげだった。
 深夜開催が影響したのか、長崎市が市民会館に用意したパブリックビューイング(PV)は、定員400人に対して来場者約50人と少なめ。それでも、後半に日本が怒濤(どとう)の反撃を繰り広げると、市民らは配布されたハリセンをたたきながら声援を送り、得点の瞬間は熱狂した。
 小学時代の吉田主将を指導し、現在は地元後援会の会長を務める横田祐治さん(65)は最前列に陣取って応援。本人から現地入り前に「気合を入れてやってくる」と伝えられたそうで「言葉通りに体を張って戦ってくれた。日本のゴールを守ってくれた」と満足そうにうなずいた。
 長崎市の繁華街で森保監督の幼なじみが経営する立ち飲み屋「ぽいち」は試合後、祝杯を挙げに来る客が絶えなかった。マスターの樋口紀彦さん(52)は「大事な時に結果を出すのが森保さん。心ない批判も多かったけれど、これでようやく認められるはず」と涙ながらに喜んでいた。
 現地で歴史的瞬間に立ち会った県民も。中学教諭の大町一磨さん(37)は文科省の海外派遣でこの春、カタールの日本人学校に赴任。ドイツ戦をスタジアムで観戦した。「試合前、真っ先に吉田選手がピッチに出てきて観客席にあいさつをしていた。長崎人として誇らしかった。“ドーハの歓喜”を味わえて、一生忘れられない1日になった」と声を弾ませた。
 長崎市は23日、稲佐山山頂の電波塔を日没から試合終了まで「サムライブルー」の青色にライトアップ。27日のコスタリカ戦、12月2日のスペイン戦も、ライトアップとPVを予定している。市の担当者は「きょうは正直、思っていたよりも人が集まらなかった。ドイツに勝って盛り上がるのはこれから。次は開始時間も早いので、たくさん来てくれるはず」と期待していた。


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