親日家の伝説のロックミュージシャン死去 鮎川誠らとも交流 13年に末期のすい臓がんと診断

英国の伝説的パブロックグループ、ドクター・フィールグッドのギタリスト、ウィルコ・ジョンソンが死去した。75歳だった。

ウィルコは2013年に末期のすい臓がんと診断され、21日に帰らぬ人となった。パンクロックに影響を及ぼし、日本での人気も高く、たびたび来日ツアーを行い、フジロックにも出演。鮎川誠らとも交流があった。

ウィルコのツイッターページには、こう綴られている。

「最もしたくなかった告知となります。重い心境ではありますが、ウィルコ・ジョンソンが死去したことをお知らせします」

「11月21日月曜日に自宅で息を引き取りました。この悲しみの時期に家族の方々のプライバシーを尊重をしていただきありがとうございます。RIPウィルコ・ジョンソン」

ウィルコは2017年、末期がんと診断された時を振り返り、こう話していた。

「あの年、私は自分の人生が終わりかけていると思いながらも、最高の年を過ごした。『そう、私は死ぬ』とずっと理解していた。死なないことを願いながらじっとしていてはいけない、私たちは全員必ず死ぬのだから。自己憐憫に嘆き悲しむことはない。涙なんか流したことはない」

「(フジロックフェスティバルで)何10万人の人々を見ながら、誰もがお前は死ぬことを知っている。私は死ぬだろう。でもそれでいい。最高の気分だと思った」

2004年に最愛の妻イレーネをがんで亡くしていたウィルコ、末期がんと診断されるも12時間に及ぶ手術で克服したが、「がんで人々が亡くなるのを見るのはきついことだ。次は自分さ」と続けていた。

ピックを使わず指でギターをかき鳴らすテクニックで知られたウィルコについて、かつてポール・ウェラーはこう話していた。「ウィルコは他のギタリストらと同じくらい知られているわけじゃない。しかし彼はトップクラスだ。同じことを言う人はたくさんいるだろう。いろんな場所でウィルコを聴いたよ。素晴らしい財産さ」

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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