快走続く三菱ラリーアート、SS4を終えて総合首位を堅持。増岡浩総監督「悪路走破性がひときわ光った」

 ミツビシが技術支援を行うチーム三菱ラリーアートは11月24日、タイとカンボジアで開催されているAXCRアジアクロスカントリーラリー2022のレグ3を終えた段階で、チャヤポン・ヨーター組105号車ミツビシ・トライトンが総合首位、リファット・サンガー組118号車ミツビシ・トライトンが総合4番手につけている。

 21日(月)に開幕した3年ぶりのAXCRは、タイのブリーラムを起点に、隣国であるカンボジアのシェムリアップをフィニッシュ地点とするルートが設定されている。

 大会2日目となったレグ1のSS2で最速タイムを記録し総合首位に立ったヨーター駆る105号車は、翌23日(水)のレグ2/SS3でも好走を見せて総合トップの座を守った。また、レグ1で右リヤタイヤのパンクをきっかけに車両にダメージを負いタイムを失った僚友サンガーも、ステージ4番手タイムを記録し総合順位を8番手から5番手に上げてみせた。

■2台のトライトンがステージ5番手、6番手でフィニッシュ

 迎えたレグ3はブリーラム空港の東側に位置するクームアンをスタートし、約70kmのコースを2周するステージに。このSS4はハイスピードのフラットダートを主体にマッド(泥地)、グラベル(未舗装路)、ターマック(舗装路)と変化に富んだ。なお、前日夜の大雨によってダートの表面は所々でぬかるみ、場所によっては水深が50㎝を超えるような大きな水たまりも確認できた。

 ラリーリーダーであるヨーターはこれらの大きな水たまりを避け、クルマにダメージを与えないよう冷静かつ的確な判断を見せ、SS4をステージ6番手で走破。総合首位の座を守り、総合2番手につける102号車トヨタ・ハイラックスレボ(トヨタ・クロスカントリー・チーム・タイランド)を7分46秒リードしている。

 チームメイトのサンガーも、慎重な走りに集中しながら勝負どころでは持ち前の攻めの姿勢を見せ、1時間59分43秒というタイムでステージ5番手に食い込んだ。この結果、総合では順位をひとつ上げ4番手とし、前を走る塙郁夫の116号車トヨタ・フォーチュナー(FORTUNER GEOLANDAR Takuma-GP)との差を3分49秒とした。

■国境を超えるレグ4。SS5のステージが急きょ変更に

「今日もチャヤポン(・ヨーター)は総合トップを維持、リファット(・サンガー)も総合順位を上げてきて、ラリー中盤の山を順調に越えることができました」と語るのは、チーム総監督の増岡浩。

「今日は路面コンディションが刻一刻と変わるステージとなりましたが、『トライトン』の強みでもある四輪制御技術、悪路走破性がひときわ光っていました」

「明日のステージは急きょ変更となって、昨日のSS3の前半80kmでの開催が予定されています。チャヤポンは総合タイムで後続と7分以上のアドバンテージがありますから、無理せず確実にゴールを目指していきます。リファットは今日も良い走りを見せて順位を上げていますので、明日も引き続き全力でゴールに向かってもらいたいと思います」

 総監督のコメントにもあるように、25日(金)のレグ4/SS5は事前に設定されていたステージが変更されている。当初はタイとカンボジアの国境付近で90km超のステージが予定されていたが、SS3のスタート地点から約80kmのコースで実施されることになった。なお、この変更にともない越境を含む1日の全行程は348kmから433kmへと延長されている。

チーム三菱ラリーアートの105号車ミツビシ・トライトン アジアクロスカントリーラリー2022
105号車ミツビシ・トライトンをドライブするチャヤポン・ヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組 アジアクロスカントリーラリー2022
118号車ミツビシ・トライトン(リファット・サンガー/シューポン・シャイワン組) アジアクロスカントリーラリー2022
チーム三菱ラリーアートの増岡浩総監督 アジアクロスカントリーラリー2022
チーム三菱ラリーアートは、タイのタント・スポーツが運営するプレイベートチーム。ミツビシは同チームに技術支援を行っている

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