ピレリF1、シーズンオフに6回のタイヤテストを開催へ。5チームが参加予定

 ピレリのモータースポーツディレクター、マリオ・イゾラは、F1シーズンオフの間にタイヤテストを6回実施し、5チームが参加する予定であることを明かした。6回のうち3回は新しいフルウエットおよびインターミディエイトタイヤのテスト、残りの3回は2024年用のスリックタイヤの開発テストに当てられる。

 今年のウエットタイヤには批判的なコメントがなされており、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、「遅すぎるし、排水性が悪い」と発言していた。

2022年F1第18戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 12月と2月にテストを実施することについてイゾラは、2023年の24戦から成るカレンダーを考えれば、シーズン中にタイヤテストを行うことは難しいため、開幕前にチームの協力を得てテストを実施することを決めたと語った。

「来年は24戦が予定されており、これまでのようにシーズン中にプライベートテストを行うことが不可能であることは明らかだ」とイゾラは、アブダビでのF1タイヤテストの後にコメントした。

「我々が見出し、FIAと合意した唯一の代替策は、この6回のテストを今後の2カ月半の間で実施することだ。チームがこの提案を受け入れてくれて非常に喜ばしい」

 10チーム中、5チームしか参加しない予定である理由について聞かれたイゾラは、チーム側の判断であると説明した。

「全10チームを招待したところ、5チームが我々の招待を受けてテストをすることになった。そこで、6セッションの作業を5チームに割り振ることにした」

 冬季タイヤテストに参加するのはフェラーリ、メルセデス、アルファロメオ、アストンマーティン、アルファタウリで、現時点で不参加となっているのは、レッドブル、アルピーヌ、マクラーレン、ハース、ウイリアムズだということだ。今シーズン後半の数戦で、フリープラクティス2が90分に延長されて2023年用タイヤテストに当てられた。来年も同様の手段が取られる予定で、冬季タイヤテストに参加しなかったチームは、そこで2024年用のタイヤを試すことができる。

2022年F1第18戦日本GP ウエットタイヤを運ぶアルファタウリのメカニックたち

 現時点での冬季F1タイヤテストのスケジュールは以下のとおり。

12月3日~4日:ポール・リカール(レインタイヤ):アルファロメオ
12月6日~7日:フィオラノ(レインタイヤ):フェラーリ
12月14日~15日:ポルティマオ(スリックタイヤ):アルファタウリ
2月1日~2日:ポール・リカール(スリックタイヤ):メルセデス
2月3日~4日:ポール・リカール(レインタイヤ):アルファタウリ
2月7日~8日:ヘレス(スリックタイヤ):メルセデス/アストンマーティン

 上記タイヤテストは2022年型マシンを使用して、FIAの監視のもとで行われ、参加チームは2023年用のパーツ開発などの作業をすることは許されない。全チームが2023年型マシンを走らせるプレシーズンテストは、2月23~25日にバーレーンで実施される。

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