3候補が追い込み 終盤の和歌山県知事選

知事選3候補のポスターが並ぶ掲示板(和歌山県田辺市新屋敷町で)

 和歌山県知事選は27日の投開票に向け、最終盤に突入している。立候補しているのは、無所属で政治団体「新党くにもり」元代表の本間奈々氏(53)、共産公認で党県常任委員の松坂美知子氏(66)、無所属で前衆院議員の岸本周平氏(66)=自民、立憲、国民推薦=の新顔3人。街頭で声をからして懸命に支持拡大を図っている。

■SNSでも積極発信 本間陣営

 本間氏は県内各地をくまなく回って、支持を訴えてきた。商業施設前などで街頭演説し、その模様を交流サイト(SNS)で発信している。選挙戦終盤に入り「手を振ってくれたり、声をかけてくれる人が増えてきた」と手応えを話す。

 拠点は田辺市にあり、昨秋の衆院選に和歌山3区で立候補し、紀南はこれまでもたびたび回っているため、和歌山市など紀北での活動にも力を入れてきた。

 本間氏は演説で「山を破壊している」と大規模太陽光発電所に反対。「子どものために山を守ろう」とこれ以上広がらないよう規制の必要性を訴えている。

 また「カジノは日本人の特性や国柄に合わない。犯罪の温床である」とカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致に反対。子どもへのコロナワクチン接種も繰り返し反対を訴えている。

 最終日の26日は午前に紀北、午後に紀南を回る予定。

■支持広がっている 松坂陣営

 松坂氏の陣営では「各地で街頭演説やミニ集会を展開しているが、激励も受けていて、手応えは感じている」と話す。「以前は別の候補者を応援していたけど、今回は松坂さんに投票するわ」という声を演説会終了後にかけてくれた人もいたという。幹部は「ここに来て支持は広がっている」とみる。

 重点的に回るのは和歌山市内。松坂氏が2011年から19年まで市議を務めたこともあって「知名度を生かせる」と考えたという。

 松坂氏は演説で「暮らしや命を大事にする県政へと切り替える絶好機」と繰り返し強調。物価高騰対策を講じ、子育て支援策を拡充させ、男女の賃金格差の解消へ取り組むことなどを訴えている。IR誘致に反対していることにも触れ「火種を消し、きっぱりと手を切る」とも主張する。

 26日は和歌山市内を回る予定。

■県民の声聞く 岸本陣営

 岸本氏は、県内をくまなく訪れ、街頭演説や個人演説会を繰り返してきた。

 衆院議員時代、選挙区内(和歌山1区)で県民の声を聞いてきたとアピール。選挙区が県内全域に広がり、これまでの地盤以外も積極的に回ってきたという。「和歌山市内で見られない課題も肌で感じている。これからも皆さんの意見を聞かせてほしい。チーム和歌山をつくり、応援団長として仕事をしたい」などと訴えている。

 陣営は「(和歌山市以外は)ゼロからのスタートだったが、予想以上に認知度が上がり、人柄も分かってもらえてきた」と手応えを示す。「16年ぶりに新知事が誕生する選挙。多くの人に投票に行ってもらえるよう、訴えをより浸透させていく」と意気込んでいる。

 26日は自転車で大票田の和歌山市内を回り、夕方にはJR和歌山駅前で演説会を開く。

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