ワーケーションを考察 白浜でシンポジウム

仁坂吉伸知事(左)が司会を務めたパネルディスカッション=和歌山県白浜町で

 ワーケーションの本質を考察、体感する「ワーケーション・コレクティブインパクト2022in和歌山~和歌山からはじめるワーケーションを通じた企業変革~」(県主催)が21~23日、白浜町であった。首都圏企業の経営者や地元関係者ら約150人が参加し、シンポジウムやワークショップなどで今後のワーケーションの可能性を探った。

 テレワークを活用して、リゾート地や温泉地など普段の職場とは異なる場所で地域の魅力に触れながら仕事をするワーケーション。これを一過性のブームで終わらせることなく、新たな生活様式として社会全体へ浸透させるとともに、地域を活性化させることを目的に開催した。

 22日には町内のシラハマキーテラスホテルシーモアで講演やパネルディスカッションがあった。

 早稲田大学(東京都)教授の入山章栄さんは「経営理論に基づくワーケーションの本質とは?」をテーマに基調講演。現代は変化が激しく、先が見えない時代であると説明。この時代を乗り越えていくためには脳をリラックスして新しいアイデアを生み出すワーケーションが必要であると強調した。

 続いて仁坂吉伸知事が司会を務め、入山さん、YeeY(沖縄県)共同創業者・代表取締役の島田由香さん、メルカリ(東京都)会長室政策企画参事の天野宏さんによるパネルディスカッション「ワーケーションを通じたウェルビーイング向上と地域活性化とは?」があった。

 天野さんは、社会を変革する手段の一つであるワーケーションは「本質的に楽しくなくてはいけない」と指摘。島田さんは、ワーケーションは心身ともに健康で前向きになるウェルビーイングを上げると話した。

 入山さんは、ワーケーションでは、地域の人だけでなく、都会から来た者同士が仲間になれることも魅力の一つと述べた。

 仁坂知事は「ワーケーションでたくさんの人が来てくれたら、場所の提供や案内など、いろんなビジネスが出てくる」と期待した。

© 株式会社紀伊民報