和歌山市に関西初の拠点 建築家の隈研吾さん

和歌山市に新オフィスを設置することになった建築家の隈研吾さん(中央)と仁坂吉伸知事(左)、尾花正啓和歌山市長=24日、和歌山県庁で

 新国立競技場(東京都)などを手がけたことで知られる建築家、隈研吾さんの「隈研吾都市設計事務所」(同)が来年4月、関西初の拠点として、和歌山市に新しいサテライトオフィスを開設する。国内では北海道、沖縄県に次ぐ3カ所目。隈さんは「世界と和歌山をつなぐ役割を果たしたい」と話した。

 隈さんは、海外を含め、多数の建築物を手がけている。今年2月には和歌山県と、都道府県では初めての包括連携協定を締結し、有田市で統合予定の中学校を設計。米国雑誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。

 新オフィスの進出協定式が24日、県庁であり、隈さんと仁坂吉伸知事、尾花正啓和歌山市長が出席した。

 隈さんは和歌山を選んだ理由として「木に興味があるが、和歌山材は非常に美しく力強い。自然が豊かで、高野山や熊野古道などは世界に通じる」と話した。

 新オフィスでは、関西だけでなく、海外のプロジェクトも手がけたいといい「いい環境の中で、発想も自由になり、いい図面が描けるかもしれない」と話した。その上で「県内の市町村の皆さんに(まちづくりの)助言やお手伝いする拠点にもしたい」とも語った。

 仁坂知事は「いいまちをつくって幸せに生きていくために、いろいろアドバイスを頂きたい」と求めた。

 新オフィスは和歌山市八番丁9番地の「パーク県信ビル」に入る。同事務所の設計で建物を改修中という。

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