他民族や他宗教に対する差別はどのように生まれてしまうのか?【社会心理学】

欧米と東洋では、自己観に違いがある

組織が誤った意思決定を下す原因として、「集団的浅慮」というものがあります。これは、個人だと正しい判断ができるのに、集団で協議すると間違った判断を下してしまうことであり、多くの組織でたびたび生じる問題です。この集団的浅慮の提唱者であるアメリカの心理学者ジャニスは、組織がこうした状態に陥らないための対策について、次の7つをあげています。

(1)リーダーはメンバー個々に批判的な目を持つ役割を割り振る (2)リーダーは最初は自分の意見や予測を言わないようにする
(3)各メンバーはグループの意見について信頼できる外部の人の意見を求めるようにする (4) 外部の専門家をグループの議論に加える (5)最低1名のメンバーが「常に反対する」役割を担う (6)リーダーは外部からの警告を検討する時間を確保する

それぞれの特徴は、個人の意思決定が重視される牧畜文化と互いの協力を必要とする農耕文化、キリスト教と仏教や儒教の考え方の違いなどから生まれてきたと考えられています。もうひとつ特徴的なものとして、分析的思考と包括的思考の違いが挙げられます。欧米人が物事自体の特徴に注目する分析的思考であるのに対し、東アジア人は、物事とその周囲の関わりに注目する包括的思考であると言われています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 監修:亀田達也

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

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