スマートEX、えきねっと、早得…東京ー新大阪間の新幹線、よりお得に乗る方法はどれ?

コロナ禍の影響で少なくなっていた人の往来も、ここ最近戻ってきたようです。筆者の体験でも、連休前の東京駅構内は多くの人でにぎわい、新大阪までの新幹線では、3人掛けのシートがすべて埋まっているところも少なくありませんでした。

そんななか、ビジネスやプライベートで東京-大阪間を移動する機会が増えてきそうです。今回は、東京-新大阪間の新幹線を、よりお得に乗る方法について考えてみたいと思います。


通常の価格

まず、東京-新大阪間の新幹線運賃を確認しましょう。

駅の窓口や券売機で購入すると、のぞみ号は乗車券8910円+特急料金5810円=合計1万4720円です。

ひかり号・こだま号の乗車券はのぞみ号と変わらず8910円+特急料金5490円=合計1万4400円です。のぞみ号より320円安いですね。

また、自由席だと、乗車券8910円+特急料金4960円=合計1万3870円です。

座れる保証はないのですが、混んでいる場合は1号車の端のデッキに新聞紙など敷いて陣取る、という荒業もなくはないので試してみるのも一興かもしれません。

とはいえ、東京も新大阪も始発駅ですから、列車待ちの列の先頭付近ならまず座れるでしょう。気を付けるべきは、新大阪から乗る際に、新大阪発の新幹線の列に並ぶことです。博多発などでは、新大阪駅に到着した時点で自由席はすでに満席、という可能性もあります。

スマートEX

東海道新幹線をよく利用する人は、スマートEXを利用している人が多いのではないでしょうか。スマートEXは、無料の会員登録をすると、スマートフォンのアプリから簡単な操作で新幹線の予約ができるサービスです。

利用するには、スマートフォンアプリをダウンロードして、クレジットカードと、スマートEXと連携させるSuicaなど交通系ICカードを登録します。支払いはクレジットカードのみです。ポイント還元率のいいカードを登録しましょう。

スマートEXで購入できるチケットは乗車券・特急券は一体となっていて、のぞみ号だけではなく、ひかり号やこだま号、自由席も画面から選べますが、料金は同額です。

東京-新大阪間の料金は、1万3620円。券売機で買うより1100円安くなります。

座席の指定は、窓側・通路側といった種類で選ぶこともできますし、座席表から選ぶことも可能です。トイレや喫煙ルームとの位置関係や、車両全体の込み具合も確認できるので便利です。

しかも予約の列車や座席の変更は、入場前で予約の列車の発車時刻前までなら、何度でも手数料無料で変更できます。予定していたスケジュールよりも早めに終わった、もしくは遅くなりそう、という時でも気軽に変更できるのは助かります。

また、スマートEXではビジネスパーソン向けの「S Work車両」を選ぶことも可能。S Work車両は、新幹線内で気兼ねなく仕事ができる目的で作られた車両です。これまで座席で仕事をしたくても、パソコンのキーボードを打つ音や、携帯電話、Webミーティングの通話音が気になってできなかった、という人にとってはありがたい車両です。料金は、他の車両の座席と同じです。

EX早特21ワイド

スマートEXを利用して、乗車21日前までの予約なら、EX早得21ワイドが利用できます。

のぞみ号では、東京-新大阪間は、1万2370円。券売機で当日買うより、2350円安くなります。

ただし、すべての列車が割引対象ではありませんので、予約の際には割引対象かどうか、必ず確認してください。予約の変更は、乗車の21日前までなら何度でもできますが、期間を過ぎると割引がきかなくなるので注意が必要です。

また、乗り遅れた場合、通常の予約なら当日の自由席に乗車できますが、EX早特21ワイドでは乗車できず、特急料金は再度必要であることにも要注意です。

えきねっとは支払方法次第

新幹線のチケットを購入する際、えきねっとを利用している人もいるでしょう。

ウェブサイトなどで見かける、えきねっとの「えきねっとトクだ値」は、JR東日本やJR北海道の新幹線・特急列車のお得なチケットです。区間や期間によっては5~40%もの割引になり、大変お得ですが、新大阪はJR東日本・北海道ではないので、残念ながら対象外。

えきねっとで購入できる東京-新大阪間のチケットは、1万4720円で特に割引はありません。しかし見逃せないのは、えきねっとの利用でJREポイントがたまること。

新幹線eチケットサービスをすると、JREポイントがチケット販売額の2%たまります。

新幹線eチケットサービスとは、きっぷではなく交通系ICカード(SuicaやモバイルSuicaなど)を自動改札機にタッチするだけで新幹線に乗車できる、チケットレス乗車のサービスです。

えきねっとの利用にはクレジットカードが便利ですが、えきねっとで使うクレジットカードは、VIEWカードがお勧め。VIEWカードには、VIEWゴールドプラスカード、Suica付きのVIEW Suicaカード、JREカードがあります。

VIEWカードを利用すると、通常よりも多くJRE POINTがたまるVIEWプラスというサービスがあります。VIEWカード決済でえきねっとを利用すると、VIEWカードで3%、VIEWゴールドプラスカードでは8%のJREポイントがつきます。

つまり、えきねっとで新幹線eチケット(指定席)を購入しチケットレス乗車した場合、VIEWゴールドプラスカードでは最大10%、VIEW Suicaカード、JREカードでは最大5%のポイントが付きます。

10%のポイント還元率は、かなり高いのではないでしょうか。ポイント還元分を差し引けば、スマートEXで当日買うよりお得に利用できますね。

ポイントはSuicaにチャージしたり、駅構内の買物にも使えたりしますので、ほぼ現金同様に利用できるのは大きなメリットです。

VIEWゴールドプラスカードの年会費は2年目以降は1万1000円ですが、年間100万円以上利用するなら、ポイント還元率を0.5%(1000円につき5ポイント)で計算しても、年会費は実質無料になります。Suicaへのチャージ、携帯電話料金、電気・ガス・水道料金、その他、買物など合計すればそのくらい使いそう、という場合は、VIEWゴールドプラスカードを利用してえきねっとで購入がお得です。

EXこだまグリーン早特

移動時間に余裕があるなら、EXこだまグリーン早特を利用する方法もあります。グリーン席は1列に4座席でシートも快適。スマートEXで、乗車3日前までの予約ができます。

東京-新大阪間の料金は、1万1410円です。

ただし、移動時間については目をつぶる必要があります。のぞみ号を利用すれば、東京から新大阪まで約2時間半のところ、こだま号だと約4時間です。かかる時間だけではなく、途中の駅でのぞみ号の通過待ち(在来線の急行通過待ちのようなもの)が若干ストレスになるかもしれません。新幹線に乗っているのに…、という気分になってしまうからでしょうか。

そんな待ち時間も、いったんホームに降りて名物のお弁当を買うなどに使えれば、それもまた旅の楽しみになるでしょう。

とはいえ、停車時間はだいたい5分前後ですから、売店の場所や買うものはあらかじめ調べて決めておくといいですね。ウェブサイトで駅構内のマップを調べておくと安心です。

のぞみ号の通過待ちをする駅は、小田原駅、三島駅、静岡駅、浜松駅、豊橋駅、米原駅が多いのですが、時間帯などによって異なりますので、必ず乗車するこだま号の時刻表などで確認してから計画を立ててください。

予約の変更は、乗車の3日前までなら何度でも変更できますが、期間を過ぎると割引がきかなくなるので注意が必要です。

また、乗り遅れた場合、通常の予約なら当日の自由席に乗車できますが、EXこだまグリーン早特では特急料金は再度必要であることにも要注意です。

キャンセル手数料は一律320円。それでも、時間通りに乗車できないようならキャンセルしておいたほうが傷は浅くてすむでしょう。

ぷらっとこだま

こだま号の利用は、JR東海ツアーズで販売している、「東海道新幹線ぷらっとこだま」でも可能です。

新幹線の各駅停車、こだま号を利用してお得な価格で東京から新大阪まで乗ることができます。東京-新大阪間の運賃は、通常期で1万800円、繁忙期で1万2400円です。

注意点は、指定の乗車日、区間、列車、座席に限っての利用で、乗り遅れても払い戻しはできないこと。自由席の利用もできませんので、乗車が確実になってからの購入をしたほうがいいですね。購入は、インターネットでは出発日の1カ月前から前日まで可能です。

「EXこだまグリーン早特」は乗車の3日前までですが、「ぷらっとこだま」なら前日まで購入できます。しかも、ドリンク1本の引換券付き。引き換え商品は、660ml以下のソフトドリンク(医薬部外品を除く)や、350ml以下の缶ビール(一部商品はロング缶も可)が選べます。

回数券は廃止

東京-新大阪間の新幹線のお得の代名詞だった回数券は、2022年3月で廃止になりました。

新幹線の自由席回数券は、短中距離のものはあるので、たとえば東京-静岡、静岡-新大阪と分けて購入することもできますが、スマートEXでの購入の方が割安です。しかも、回数券は6枚つづりで使用期限は3カ月。連休や年末年始など利用できない期間もあるので、あまり使いやすいとは言えません。

もっともお得なのは、VIEWゴールドプラスカードでえきねっと購入

いろいろとご紹介しましたが、最もお得なのは、VIEWゴールドプラスカードでえきねっと購入。ただし、予約や変更のしやすさはスマートEXが便利です。時間の余裕があれば、EXこだまグリーン早特も捨てがたいですね。

都合にあわせて、お得に新幹線を利用していただければと思います。

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