在宅専門の診療所開業 DXで24時間急変に対応

彩り在宅クリニックの坂田鋼治院長

 都城市都北町に在宅診療所「彩り在宅クリニック」(坂田鋼治院長)が開業した。外来診療枠を設けず、在宅診療を専門に24時間365日患者の急変に対応する診療所は同市では初めて。一般内科に加え、心不全治療やがん診療、緩和ケアを得意とし、デジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れてクリニックを運営。坂田院長(40)は「患者さんの思いに沿った医療を届けていきたい」と話す。
 坂田院長は同市出身で浜松医科大医学部を卒業。宮崎大医学部付属病院や都城市郡医師会病院などで循環器内科として勤務。急性心筋梗塞や心不全の患者らに心臓カテーテル手術などの急性期医療を行ってきた。
 コロナ下では家族との面会制限などが設けられ、住み慣れた自宅で病院と同じような医療を受けたいと希望する患者の姿を見てきた。在宅医療への思いが募り、開業に向けてホームクリニックみまた(三股町)で働き経験を積んだ。
 持続可能な形で24時間365日対応するため運営はDX化を推進。電子カルテをクラウド上で共有したり、診療所の電話を外でも受けられるようにしたりして、スタッフの在宅勤務も可能に。ホームクリニックみまたや他専門医などとも連携し、質の高い医療を目指す。坂田院長は「住み慣れた自宅で本人の意思を尊重しサポートしたい。都城の在宅医療を推進し、地域で安心して医療を受け続けられる体制づくりができれば」と話す。
 半径16キロ圏内のエリアが対象(対象外の相談も受け付ける)。同クリニック(電話)0986(51)9520。

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