東京・両国の両国テラスカフェが、ふるさと納税の返礼品を組み合わせた鍋料理をこたつで楽しめるイベント「こたつ ｄｅ コラボ鍋」を始めた。伊勢エビとカマンベールチーズ、きりたんぽと梅干し―といった意外な取り合わせが想像を超えたおいしさを生んでいる。（共同通信＝中村彰）
提供している鍋料理は４種類。「伊勢海老の濃厚カマンベールミルク鍋（１人前６５００円）」、「きりたんぽの南高梅ぞうすい」（同３８５０円）、「水炊きレモン鍋」（同３８５０円）、「丸玉トマトのあんこう鍋」（同５０００円）と、一見ミスマッチとも思える組み合わせではある。
しかし、一口食べただけでその考えは打ち砕かれた。
伊勢エビの鍋は三重県鳥羽市の伊勢エビと北海道森町の牛乳、カマンベールチーズの組み合わせ。「和風の鍋にチーズ？」と一瞬、頭に「？」マークが浮かんだが、みそだれに濃厚なチーズと牛乳が絶妙なバランスで溶け合い、ミスマッチどころかベストマッチの逸品に仕上がっていた。料理に定評がある鳥羽グランドホテルが手がけただけに、だしの引き出し方にすごみすら感じられる。
秋田県横手市のきりたんぽ鍋で使う鶏肉はもちろん比内地鶏。特産のいぶりがっこもセットだ。和歌山県御坊市の紀州南高梅の上品な酸味が食欲を増す。
福岡県大任（おおとう）町の博多水炊きの鶏肉は軟らかで皮はプルプル。一方のつみれはしっかりした肉感が味わえ、対照的なおいしさを楽しめる。合わせるのは香川県観音寺市のレモンで、１人当たり２個分を使用。ポン酢で楽しむ鍋が多いように、鍋物と柑橘類の酸味は実に合う。レモンはノーワックスなので、煮込んでもおいしいという。
茨城県ひたちなか市のアンコウと愛知県田原市の丸玉トマトも意外な組み合わせ。だが、しっかりとしたアンコウの身に詰まったうまみとトマトに凝縮された甘みが抜群の調和を生み出した。
鍋をいただく席は特設の掘りごたつ。両国テラスカフェの冬季自慢のしつらえで、楽な姿勢でゆったりと食事を楽しむことができる。
イベントを仕掛けたのはふるさと納税ポータルサイト「さとふる」。特産品を楽しむことをきっかけに地域やふるさと納税への関心を高めてもらうのが狙いだ。
「こたつ ｄｅ コラボ鍋」は１２月５日まで。６日からは牛・豚・海鮮の鍋（予定価格１人前５８５０円）など３種の店オリジナルの鍋を用意している。鍋料理は２人前からオーダー可能。
