火を見極め、風上から操縦士を救助 消防士の経験生かす 軽量飛行機事故で椛島さん(柳川市)に感謝状 阿蘇広域消防本部

両翼の一部と尾翼を残して焼損した軽量飛行機=8月28日午後2時55分ごろ、産山村山鹿
感謝状を受け取る椛島勝己さん=阿蘇市

 熊本県の阿蘇広域消防本部は24日、8月に産山村で起きた軽量飛行機事故で、墜落した機体から操縦者を救助した福岡県柳川市の会社役員、椛島勝己さん(70)に感謝状を贈った。椛島さんは「機体から火柱が上がっていたが、助けたい一心だった。命が助かって良かった」と振り返る。

 50代男性が操縦する機体が産山場外離着陸場を離陸直後に滑走路脇に墜落。椛島さんは飛行機愛好家団体に所属する友人を訪ね、初めて軽量機の飛行を見学していた。「急に失速した後に『ドーン』と音がして、3メートルほど火柱が上がった」と事故の様子を語る。

 高校卒業後、広島県で3年間、消防士として働いた経験がある椛島さんは約250メートル離れた現場に駆けつけ、操縦席で「熱い、助けてくれ」と叫ぶ男性を発見。火の勢いを見極め、冷静に風上から男性を引きずり出したという。男性は右足などを骨折する重傷を負ったが、一命を取り留めた。

 贈呈式で同消防本部の宮崎達信消防長は「迅速で勇敢に尊い命を救った」と感謝。椛島さんは「まさか、初めての見学で機体が墜落するとは思わなかった。救助には消防勤めの経験が生きた」と話した。

 29日には椛島さんともに救助に当たった、鹿児島県曽於市の会社役員、平川忠幸さん(77)にも感謝状を贈る。(植山茂)

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