最高峰から「世界遺産の森」一望 奄美大島・湯湾岳に展望台完成 希少・固有種保護で山頂は立ち入り規制

展望台の下に広がる亜熱帯照葉樹林=25日、大和村名音

 環境省が鹿児島県奄美大島の大和村と宇検村にまたがる湯湾岳(標高694メートル)の山頂手前に整備した展望台が24日、オープンした。関係者による式典があり、「奄美・沖縄」世界自然遺産登録地で、亜熱帯照葉樹林が広がる最高峰からの風景を堪能した。

 山頂と大和村側の登山道の間にあるほこらの広場に整備した。木造で高さ5.52メートル。

 同省は同日、希少・固有な動植物が多い山頂を保護するため、付近の山道約250メートルの立ち入り規制を始めた。展望台は、眺望を確保し山頂まで行かなくても、最終目的地として訪れる人が満足できるよう整備した。事業費は4500万円。

 同省奄美群島国立公園管理事務所の阿部愼太郎所長は「山頂付近は奄美の多様性の象徴で、かつ神聖視される場所でもある。保護と利用の両立をうまく図っていきたい」と話した。

【パノラマ写真】展望台の下に広がる亜熱帯照葉樹林とほこらの広場=25日、大和村名音
テープカットで展望台のオープンを祝う関係者=25日、大和村名音

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