今年映画界で活躍した関係者をたたえる「第45回山路ふみ子映画賞」の贈呈式が25日、都内で行われ、俳優の香川京子(かがわきょうこ)さん(90)が「山路ふみ子映画功労賞」、吉岡里帆(よしおかりほ)さん(29)が「山路ふみ子女優賞」に輝き、喜びを語った。2人は、太平洋戦争末期の沖縄県警察部長荒井退造(あらいたいぞう)(宇都宮市出身)らを描いた作品「島守の塔」などでの演技が評価された。
島守の塔は栃木県では8月上旬から約2カ月半、公開された。吉岡さんは、戦時下の沖縄県知事に仕える県職員役、香川さんは現代の同じ人物役を演じた。
香川さんは、島守の塔など出演2作品に加え、長年日本映画界の第一線で活躍し続け、多大な貢献があったことから贈賞された。花束を手に「作品は(新型コロナ禍で)上映が遅れ心配したが、上映できて本当にありがたかった。長く(映画界で)仕事をさせていただいた年月は私の宝物」としみじみと感激を語った。
吉岡さんは映画「ハケンアニメ!」に加え、島守の塔での好演が認められ、今年最も素晴らしい活躍を見せた女性俳優に贈られる同女優賞の一人に選ばれた。
香川さんと同じ人物役を演じたことにも言及し「(製作関係者と)一緒に作品を撮れるような人間でいたいという気持ち、応援してくれる人たちへのリスペクトをもってこれからも頑張っていきたい」と笑顔を見せ、満場の拍手を浴びた。
同映画賞は昨年11月から今年10月に公開された日本映画が対象。その年の一番早い映画賞としても注目されている。