いよいよ来週!秩父夜祭 3年ぶり「曳き回し」へ各町会で太鼓ならし 腕鳴り、胸躍る秩父っ子

真剣な表情で太鼓をならす、たたき手たち=25日午後7時ごろ、埼玉県秩父市の中村町公会堂

 日本三大曳(ひき)山祭りの一つで、ユネスコ無形文化遺産の秩父神社の例大祭「秩父夜祭」(12月2、3日)を前にして、屋台と笠鉾(かさぼこ)を出す各町会の「太鼓ならし」が25日から本格的に始まった。

 太鼓ならしは祭り本番で、屋台と笠鉾の引き手を鼓舞する勇壮な屋台ばやしの練習。太鼓を鳴らすと同時に、太鼓の皮を馴(な)らし、たたき手の腕を慣らすことが由来とされる。

 笠鉾を持つ中近町会は、午後7時に埼玉県秩父市内の中村町公会堂に集まり、5歳から70代までの約40人が笛や鐘の音色に合わせて、小気味よく太鼓をたたいた。感染症防止のため、例年より広い練習場を確保し、30日まで太鼓ならしを行う。太鼓の指導をする太鼓長の三沢勝男さん(55)は「換気や消毒、体温チェックを徹底し、全員が緊張感を持って練習に取り組んでいく」と話した。

 新型コロナ禍で3年ぶりとあって、たたき手たちは、太鼓の革の張り具合を確かめながら腕をならし、夜祭に向けて気持ちを高めた。

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