諫早で鳥インフル陽性確認 野鳥の死骸から、長崎県内6年ぶり

 長崎県は25日、諫早市森山町で見つかった野鳥のナベヅル1羽の死骸から、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たと明らかにした。今後、国立環境研究所(茨城県つくば市)が遺伝子検査を実施し、高病原性鳥インフルエンザかどうかを確認する。環境省は、発見場所から10キロ圏内(諫早、雲仙両市)を野鳥監視重点区域に指定し、監視を強化する。
 県内で野鳥から陽性が確認されたのは2016年12月以来6年ぶり5例目。家禽(かきん)の感染はこれまで確認されていない。
 県によると、25日午前、諫早湾近くの農地で住民が死骸を見つけ、県に連絡。県中央家畜保健衛生所の簡易検査で陽性となった。見つかった死骸は1羽だけで、現地は消毒済み。県は発見場所から半径3キロ以内の1戸(雲仙市)を含む県内の養鶏農場全139戸を調査し、今のところ異常はない。
 県は25日、県庁で警戒連絡会議を開き、平田修三副知事や関係部局長らが防疫体制などを確認。26日は県や養鶏団体などが県庁で防疫対策会議を開く。
 県内の養鶏場では計491万5千羽が飼われている。県は24日までに全戸に消毒用消石灰の散布を終えた。県民に対し、野鳥に近づき過ぎず、死骸などを見つけた場合は県や市町に連絡するよう呼びかけている。
 今季の高病原性鳥インフルエンザは今月に入り、九州でも鹿児島、宮崎両県の養鶏場で確認された。


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