「3B腐ったみかん」の直江喜一が60代で金沢マラソン挑戦 前回は転倒、血を流しながら救護所へ

TBS系ドラマ「3年B組金八先生」第2シリーズ(80年10月―81年3月放送)で不良生徒・加藤優(まさる)を演じた直江喜一(59)が27日、東京・銀座のライブハウス「タクト」で『定年だョ!全員集合』と題したコンサートを行なう。

自身のバンド「直江喜一とオレンジブレーカーズ」として10回目の単独公演。来年1月8日の誕生日で60歳になる直江は「バンドのメンバーは大手企業に務めていたり、大学教授だったりで、いち早く定年になっている。『定年秒読み』の私を入れて、これで『全員集合』です」と笑顔を見せた。

60代に向けて大きな夢もある。金沢マラソン挑戦だ。

現在、建設会社「松井建設」東京支店の営業第二部長を務めている直江は、51歳から3年間、石川県金沢市に単身赴任していた時、2015年に始まった金沢マラソンの第1回と第2回に連続出場。いずれも完走していた。「2度あることは3度ある」というわけだ。

「1回目は5時間30分52秒で完走。2回目は走行中に転倒してケガしました!(沿道の)ボランティアの人にケガしたことを伝えたら、『2キロ先に救護所があります』と言われて、車で運んでくれたりとかもなかったので、手から血を流しながら、ゾンビみたいに救護所まで歩きました。そこで治療してもらって、頭クラクラしながら、5時間49分26秒で完走しました」

そんな強烈な思い出がある。東京に戻ってからはマラソンチーム「腐ったみかん's」を結成。現在まで会長として走っている。

「月に1回、皇居の回りを、メンバーが5キロコースと10キロコースに分かれて走っています。走り終えたら、東京駅近くの施設でシャワーを浴び、5キロ組から先に居酒屋で飲み食いします。走って消費したカロリーはそれで『パー』なんだけど、楽しいですよ」

そう語る直江は「60歳になって、来年の金沢マラソン(10月下旬開催予定)に挑戦したいという思いがある。ただ、年明けから芝居もあって、マラソンの準備がうまくできるかということもあるので、現時点でまだ決められませんが、走りたい気持ちはあります。60代のうちに3度目の挑戦をしたい」と目標を掲げた。

その「芝居」だが、所属する劇団「JAPLIN」の公演「エイジ」が来年1月28日から2月5日まで東京・下北沢OFFOFFシアターで開催。「3月にも、もう1本あります」と、定年後も会社勤務を続ける一方で役者業も忙しくなる。

とはいえ、まずは目前に迫った音楽のライブに専念。勤務の合間にバンドの練習も重ねている。

シンガー・ソングライターとして自身が作詞作曲したレパートリーでは、能登の見附島に魅せられた「見附島のえんむすびーちで!」、人生の応援歌「前だけを見て歩く男でありたい」という2曲について「石川に行ってなければできなかった」と思い入れが強い。「この2曲と、マーシャル諸島に住んでいる後輩をイメージして作った『南から』という曲を加えた計3曲がカラオケに入っています。ライブでも必ず歌っています」と明かした。

さらに、今回のライブでは歌だけでなく、これまでやらなかった「出し物」を考えているという。「ネタバレになるので当日のお楽しみです」。充実の秋、直江は思わせぶりに笑みを浮かべた。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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