スーパーGT GT500クラス/スーパーフォーミュラの体制についてTGR佐藤プレジデントが説明

 11月25日、TOYOTA GAZOO Racingは2023年の国内外レースの参戦体制について発表し、スーパーGT GT500クラス、全日本スーパーフォーミュラ選手権の体制について発表したが、この決定の理由について、ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第7戦鈴鹿の場で、GRカンパニーの佐藤恒治プレジデントが体制の狙い、TBAの部分について説明した。

 スーパーGT、スーパーフォーミュラの2023年体制について、他メーカーに先駆けて11月25日に発表を行ったTOYOTA GAZOO Racing。まず、佐藤プレジデントは全体的な体制づくりの考え方として「基本的に我々が継続していきたいのは、豊田章男社長が自ら実践している、『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』をより深く、より広くしっかり続けていく体制を確実にしていくということです」と語った。

「速いドライバーということはもちろんですが、価値観を共有しながら、チームとなって、家族となって動ける強固なモータースポーツ体制を作っていきたいという考え方から、全体を組織していきました。個々に見ると変更はありますが、昨年からやってきている活動をさらに加速させていきたいということです」

 こうした考え方のもと組まれた体制だが、まずスーパーGT GT500クラスについては、4チームが体制を継続。TOM’Sの36号車、37号車に変更が見られた。これについて佐藤プレジデントは「スーパーGTはたくさんのファンの方々とともに作っていくレースですが、各チームとしての方針、TGR全体としての家族的なチームマネージメントとしての体制決定となりました」と説明した。

「来季に向けては、特にサッシャ(フェネストラズ)選手が海外にいくということで、そのシートをどうするかについてさまざまな案があり、現在も検討が進んでいるところです。我々は早めの発表を行ったこともあり調整中となりましたが、特段揉めているということではなく、いろいろな可能性を検討させていただいているということです」

 またスーパーフォーミュラについては、小高一斗がKONDO RACINGから参戦する一方、Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sの36号車についてはTBAとなった。これについては「我々は育成にも力を入れていますので、昨年スーパーフォーミュラ・ライツのチャンピオンを獲った小高選手には上のステージで頑張って欲しいと思いますし、我々としてもスーパーフォーミュラで活躍してくれることを期待しています」と佐藤プレジデントは説明した。

「育成のサイクルもきちんと機能させることがモータースポーツを活性化させるために大事なことだと思っていますし、小高選手をステップアップさせ、育てていくという思いをもっています。また同時に、スーパーフォーミュラについてもサッシャ選手の空いたシートをどうするかについて、さまざまな調整が進んでいますので、追って発表できると思っています」

 佐藤プレジデントの説明を聞く限り、TOYOTA GAZOO Racingとして継続性、また「家族となって動ける」というキーワードが体制へのポイントということが分かる。現在両カテゴリーで未定となっているひと枠も、チームの意向とともにその点がセレクトの理由になるのかもしれない。

GRカンパニーの佐藤恒治プレジデント

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