玉野の観光 トゥクトゥクはいかが 渋川海岸と王子が岳結ぶ実証実験

渋川海岸から王子が岳に向け、瀬戸内海沿岸の国道430号を走るトゥクトゥク

 玉野市を代表する観光地・渋川海岸と王子が岳を結ぶ新たな移動手段の在り方を探ろうと、同市観光協会は東南アジアでメジャーな三輪タクシー「トゥクトゥク」を走らせる実証実験を行った。参加した乗客は瀬戸内海の爽やかな風を感じながら海岸線の移動を体験した。

 実験は両観光スポットを結ぶ公共交通がないことから初めて企画し、19、20日に行われた。トゥクトゥクは、丸亀市の一般社団法人赤ひげ倶楽部(くらぶ)から2台(運転手除き3人乗り)をレンタルし、玉野市渋川観光駐車場から瀬戸内海沿岸を通る国道430号を経て王子が岳第一駐車場までの片道約7キロ(約20分)を走った。

 乗客は、道中の海岸線から瀬戸内海の多島美を眺めたり、写真を撮ったりしながらトゥクトゥクに揺られ、王子が岳を目指した。19日に家族3人で乗った同市立大崎小4年の男子児童(9)は「窓がなくて開放的で気持ち良かった。走りながら瀬戸大橋も見ることができて楽しかった」と笑顔で話した。

 実験では玉野の魅力発信に役立ててもらおうと、終点近くの王子が岳パークセンター周辺に撮影スポットとして、直径80センチの輪に造花などを飾り付けるフラワーループも設置。渋川観光駐車場までの帰路は無料ジャンボタクシーを運行した。

 実験では2日間で県内の124人が乗車。今後の活用策を検討するために行ったアンケートでは「潮の香りを肌で感じることができた」「今後もこのルートを常設してほしい」といった回答があったという。同協会企画情報室の阿部あけみ主事は「周辺の事業者らと協力しながら、一帯を活性化させる新しいツールとして検討したい」としている。

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